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商社とメーカーのシナジーにより成長【ダイトロン株式会社】

キラリ、企業ハッケン!

2024.01.10

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創業以来、技術力重視を貫く

 ダイトロン株式会社は“技術立社”を謳い文句として、商社+メーカー=ダイトロンという方程式を成立させている。「目指す企業、手本とする会社は特にない」(土屋伸介社長)と独自路線を貫いて、商社とメーカーのシナジー効果による成長発展を成し遂げてきた。今後は、事業の幅を広げて深さを増し、ひいては成長を加速させるため「ソフト開発やソリューションの提供に力を入れていく」(同)。
 創業年は1952(昭和27)年で、髙本善四郎氏が「大都商事」を興した。髙本氏は「技術を持った会社でなければ生き残れない」とし、商社にも独自の技術力が不可欠と見て、各種技術の蓄積に取り組んでいく。その延長線上で、 1970(昭和45)年、技術部を独立し大都電子工業を設立して、今日のダイトロンの基本形を確立する。
 創業時の「大都商事」は「ダイトエレクトロン」、「ダイトロン」と、株式公開や子会社統合のタイミングで出世魚のように変身した。ちなみにダイト(大都)は、創業者が京都出身で、大阪で起業した際、大阪の「大」と京都の「都」を組み合わせたことに基づく。

出世魚のように社名も中身も進化
ソフト・ソリューションに力こぶ
中部基幹工場

中部基幹工場

子会社を統合し機能アップ

 大谷翔平選手の二刀流が話題を集めて久しいが、ダイトロンは昭和の時代に、商社とメーカーの二刀流を試みて、昭和、平成、令和と三つの時代を二刀流で乗り越えてきた。二刀流の歴史を振り返ると、大都電子工業および1994 (平成6)年設立のダイトデンソーの二つの子会社がメーカー機能を担ってきた。子会社とのグループ運営を進めるなかで「情報共有を図り、機能アップするには一本化した方がベター」(土屋社長)と見極めたことから、2017(平成29)年に子会社を統合し今日に至る。
 この間の歩みをキーワードで表すと、製販一体→製販融合→技術立社となる。技術立社は、もちろん「技術立国」の会社バージョン。数年前から強く訴求するようになり、PRポスターなどにも「技術立社」と大書している。技術重視を宗とした創業者の思いを明確に打ち出した格好だ。
 同社では各種のセンサー、半導体、通信デバイス、無停電電源装置(UPS)や、画像関連機器、半導体製造装置、電子部品製造装置などを幅広く取り扱い、多種多様な産業分野に供給している。今後、品揃えをさらに充実させ、方向性としては、自社製品の開発強化を含め、より高付加価値な商材のウエートを高めていく。
(左)電子部品
(右)機械装置

より広く、より深く顧客と接する

 ここへきて特に力を入れているのがソフト、ソリューションの強化・拡充だ。単にハードの部品、装置を提供するだけではなく、ソフトと組み合わせたソリューションビジネスを展開することで、より広く、より深く、顧客と接し食い込んでいこうとの狙いである。
 一例として、データセンター向けUPS周りのソリューション提供が挙げられる。これは、同社取扱品である海外メーカー製UPSに付随するアプリケーションを開発・製品化し、データセンターの立ち上げ、メンテナンス等のサービス一式を引き受けるといったもの。また、商材として長年、手がけているレンズ、カメラ、照明の類いと、AI(人工知能)ソフトなどを組み合わせることで、各種検査・測定の自動化システムを製品化してもいる。
 ソフト・ソリューションビジネスを深耕するには、人材確保が欠かせない。そこで、リクルートではソフト技術者の採用に重点的に取り組んでいる。「最近の採用実績は、理系の半分はソフト系」(同)で、現状、数十人規模のソフト技術者を倍増させる意向だ。
 同社では成長戦略の柱の一つに、海外市場の掘り起こしを掲げている。現状の海外比率は20%ほど。それを当面、30%に引き上げ、将来的には50%にまで高めていく。これまで主にアジア市場向けの実績を積み上げてきたが、 2023年春、オランダに初の欧州拠点を開設し、欧州市場の開拓に乗り出している。
成長分野で右肩上がりを続ける

成長分野で右肩上がりを続ける

代表取締役社長 土屋 伸介氏

 扱っている商材は、データセンター、自動運転、ウエアラブルなど、 5G(第5世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)、AIといった先端技術を駆使する成長分野で広く使われています。そのためか、当社の業績も右肩上がりで伸びているところです。
 組織形態は、販売機能のM&Sカンパニー、製造機能のD&Pカンパニーと、海外事業本部、管理本部の2カンパニー2本部の体制をとっており、各社員が適材適所で働けるように、人事交流などの工夫を凝らしています。得意分野や適性が異なる多種多様な人それぞれが、やりがいを持って働ける職場環境を心掛けているので、新卒、中途を問わず、是非、一度アプローチしてください。

会社DATA

所在地:大阪市淀川区宮原4-6-11
創業:1952(昭和27)年6月21日
代表者:土屋 伸介
資本金:22億70万8,560円(東証プライム市場上場)
従業員数:連結:942人
事業内容:電子機器および部品、各種製造装置等の製造・販売および輸出入
https://www.daitron.co.jp/
(左)従業員
(右)集合写真

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