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電源をあまねく提供、時代のニーズに応え社会に貢献【株式会社ニプロン】

キラリ、企業ハッケン!

2024.01.26

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太陽光発電やEV関連の技術・製品も蓄積して成長

 株式会社ニプロンは各種電源装置を主力製品とする中堅メーカー。広範な産業分野、特にデータセンターや医療機器など今後、一段の伸びが期待できるジャンルに多種多様な電源装置を提供している。あわせて太陽光発電やEV (電気自動車)に関わる一連の製品群の品揃えや、「三重スマート夢工場」をモデルにした高い再エネ率工場の推進など、時代の要請に即応した企業戦略・戦術を次々と打ち出し成長発展を遂げている。
 ニプロンの原点は1967(昭和42)年に大阪市内で立ち上がった酒井電技商会。日本プロテクターとして法人化し、ドロッパー式直流安定化電源を開発・販売した1970(昭和45)年が創業年となる。以後、パソコン電源、ノンストップ電源、昇圧コンバータなど各種電源装置を相次いで開発・販売。あらゆる産業分野に欠かせない電源装置を広く供給して今日に至る。

非価格化やソリューションを打ち出す
高い再エネ率のスマート夢工場が始動
本社・阪神夢工場

本社・阪神夢工場

コアコンピタンスは直流制御技術

 「コアコンピタンスは長年培ってきた直流制御技術」。二見達也社長は、ニプロンの強みをそう説明する。多くの電子・電気機器/設備は交流で送られる電気を直流に変換して用いる仕組みになっている。安定した直流が不可欠であって、その役割を担う電源装置の開発で蓄積してきた技術・ノウハウが売り物というわけである。
 電源装置は国内外の多くの企業が製造販売している。それら競合各社との競争に打ち勝つために、同社では“非価格化”をキーワードとする事業展開を有言実行している。二見社長は「価格だけでの競争ではなく、在庫や代替品を用意し長期安定供給を保証することや、充実したアフターサービスを提供するなど、モノ以外を合わせたトータルの価値を高めることが非価格化の肝になる」と説明する。
 「モノ以外」としては、いわゆるソリューションビジネスにも力を入れている。電源装置の顧客ニーズは、顧客それぞれによって千差万別で、各ニーズに対応するには、顧客と共同開発する必要に迫られたりする。ニプロンではそうしたきめ細かな、ピンポイントの製品づくりに取り組むことでCS(顧客満足度)を高めている。顧客の要望や問題解決にジャスト・フィットするソリューションを提供しているわけである。
(左)パソコン電源
(右)基板型単出力電源
(左)再生可能エネルギー関連製品
(右)単出力電源+出力保持時間延長ユニット

再生可能エネルギーの市場が大きく育つ

 電源装置開発の延長線上で、大きく育っている事業・製品が太陽光発電関連システムだ。太陽光発電は直流の電気をつくりだすので、直流制御を得意とするニプロンと相性がいい。そこで、発電効率を高めたり、昼と夜、晴天と曇天・雨天のバラツキを平準化するような技術・製品を生み出し、実用に供している。実用化に際しては、蓄電池メーカーや太陽光パネルメーカーなどとも協力し、太陽光発電および蓄電の普及を後押ししている。
 さらに太陽光発電とEVを連動させる「ソーラーカーポートEV充電ステーション」も世に出した。これは、既存の駐車場スペースなどに設置し、100%太陽光発電でEVを走らせる装置。災害時には非常用電源として使えるので、防災拠点とも位置付けられ、時流に合致したステーションと捉えられよう。
 2023(令和5)年夏、三重県多気町の新工場「三重スマート夢工場」が始動した。同工場はエネルギーの多くを太陽光発電でまかなう「グリーン工場」で、太陽光発電関連の自社製品を数多く導入。それら製品群の実証設備としての役割も担っている。
 同社では生成AI(人工知能)の広がりに伴い需要が急伸中のデータセンターや、カメラ・画像処理など日本メーカーの得意技術が生きる医療機器、さらにアニメなどを通して世界各国に浸透しているアミューズメント機器を重点分野と捉えて、関連製品の開発・提供に余念がない。
 二見社長は、さらなる飛躍発展に向けて「何と言っても一番大切なのは人材。世の中が急激に変わっている今、自ら考えて、行動し提案できる人を育てていきたい」と人づくりの重要性を強調する。
(左)本社社員
(右)本社製造現場
環境や社会への貢献見据えたインパクト経営を実践

環境や社会への貢献見据えたインパクト経営を実践

代表取締役社長 COO 二見 達也氏

 経営資源には人、モノ、金に加え「文化」があると思っています。社員一人ひとりが成長して、自ら考え、行動し、提案するようになる。そうした企業カルチャーが醸成されれば、会社も顧客も自ずから成長発展していくので、良き文化を定着させることが経営者にとっての大きな役目だと考えています。文化のベースとなるのは「感謝と凡事徹底」です。
 脱炭素など地球環境問題への対応、配慮が喫緊の課題となっている中で、当社では、社会や環境にとってどれだけ良いことかを重要な尺度とするインパクト経営を心がけています。その観点から、再生エネルギーの利活用、各種リサイクルの推進など、環境に優しいプロジェクトに数多く取り組み、社会への貢献を常に意識しているところです。

会社DATA

所在地:兵庫県尼崎市大浜町2-57
創 業:1970(昭和45)年
設 立:1981(昭和56)年7月
代表者:酒井 節雄(代表取締役会長CEO)二見 達也(代表取締役社長COO)
資本金:5億3,066万円
従業員数:441名(2023年7月1日時点)
事業内容:
①スイッチング電源・ノンストップ電源とその周辺機器等の開発、製造、販売、アフターサービス
②太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電設備とその周辺機器の設計、販売、監視、メンテナンス、コンサルティング
https://www.nipron.co.jp/

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