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計測・制御技術で未来を拓き、新しい価値を創造する研究開発型企業 ー1950年代に誕生した大学発ベンチャーのパイオニア【株式会社エヌエフホールディングス】

キラリ、企業ハッケン!

2023.08.02

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株式会社エヌエフホールディン ファンクションジェネレータグスはエヌエフグループ傘下の8社を統括する持株会社だ。しかし、単なる持株会社ではない。社内に、基礎技術研究センターや共同開発センターを置くなど、グループの新規事業を創出する研究開発会社としての機能も果たしている。同社は1959年4月に東京工業大学の助教授が設立した大学発ベンチャーの草分け的な存在だ。
 社名「エヌエフ」の由来となったのは「ネガティブ・フィードバック Negative Feedback」制御技術。出力の低減や変動に対して精密で安定した制御を実現できるキーテクノロジーだ。アナログ世界には不可欠な技術だが、最先端技術も支えている。「はやぶさ」「はやぶさ2」の高信頼小型電源の実現や、最先端の量子コンピュータでのノイズ除去と微小信号の増幅、再生可能エネルギーで発電した電力を制御し、低ひずみで安定した電力をグリッド(系統)へ供給するといった課題を解決した。ナノボルトレベルの微小信号から100kVA(キロボルトアンペア)を超える大電力をコントロールする技術まで、幅広い領域をカバーする社会に不可欠の技術なのだ。

●ネガティブ・フィードバック制御技術で宇宙開発や量子コンピューターの実用化に貢献
●アジャイルに変革していく会社として、最先端のテクノロジーをキャッチアップ

アナログ技術とデジタル技術を融合した最先端の製品づくり

 アナログ技術とデジタル技術を融合させたユニークな製品はユーザーから高い評価を得ている。世界トップレベルの性能を実現する「低雑音増幅器」をはじめ、先端研究を支える「ロックインアンプ」、国産第一号の開発から進化を続ける「ファンクションジェネレータ」、研究開発から生産まで最適な電源環境を提供する「交流電源」、10,000A(アンペア)を超える大電流に対応する「直流電源」、電力業界ではデファクトスタンダードとなっている電源供給網を見守る「保護リレー試験器」など、世界の研究開発や産業を支える製品が揃う。
 同社の転機となったのは2008年のリーマン・ショック。受注は激減し、創業以来の成長戦略に大きな壁が立ちはだかった。そこで同社は「アジャイルに変革していく会社」への転換を目指す。その成果は出ている。量子コンピュータでは理想的な条件で量子素子を制御し、素子からの超微小信号を取り出す必要がある。ここでも同社の高調波ノイズを発生しない制御信号源や磁場ゆらぎを発生しない電流源が活用されている。さらに、超低ノイズアンプの駆動源として、世界最高レベルの低ノイズ電圧源を俊敏に提供し、量子コンピュータの多ビット化に貢献している。
エヌエフグループの事業展開

エヌエフグループの事業展開

環境や医療分野でも新たな課題の解決に貢献

 環境エネルギー分野では家庭用リチウムイオン蓄電システムを開発・製造するだけでなく、「NF IoT プラットフォーム」も提供。遠隔制御や故障のチェックなどを一元管理するシステムを構築。全国で約5万台の蓄電システムが接続され、電力使用のビッグデータを収集している。これに気象庁の観測データを組み合わせて天候に対応し、太陽光発電の効率とも連動した充放電制御を実現した。また、注目の水電解による水素製造では、電解槽にあわせた直流電源を提供する。再生可能エネルギーの利用拡大を実現する次世代電力ネットワーク構築に貢献できるという。
 最新のイノベーションは医工学技術だ。溶液中の病原菌等に含まれるDNA量を電気的に検出・短時間に分析する技術や、心臓や脳からの微小な生体電位を計測する技術が高く評価されている。医療現場での検査機器では同社の微小信号計測技術を応用することで、病床に運んで測定できる小型軽量の弱磁場MRI装置の研究が進められている。
 同社は2020年10月にホールディングス化へ移行。9つのグループ会社の力を固体質(Solid)で結集して有機的(Organic)に協調する「Solid & Organic Bloc」構想の下、グループの総合力を追求して、事業の強靭化と新価値創造を目指す。創業時からの技術の進化を続け、新ビジネスを展開するエヌエフホールディングス。身近なエネルギーから最先端技術まで、幅広い領域で社会の変革を支援し続けるだろう。
左:水素製造用直流電源(NF 千代田エレクトロニクス)
右:新製品(ファンクションジェネレータ)

<<わが社を語る>>

「人が原点」で新しい価値を創造

「人が原点」で新しい価値を創造

代表取締役会長 高橋 常夫氏

 エヌエフグループは「イノベーション」と「カーボンニュートラル」という世界的潮流の中で、計測制御技術のリーデイングカンパニーとして在り続け、豊かな未来を拓く研究開発型企業として、多くの方々からの期待と応援をいただいています。
 「世の中にないものを作り、技術の進歩の一翼を担いたい」「人々の望む商品を自由な発想で実現したい」という創業の志をベースに、多様な人々の価値観、高い感受性と想像力、既成概念にとらわれない発想と行動、そして将来へのワクワク感を大事にしています。そのためには人が原点。従業員全員参加の「グループ技術発表会」での技術交流や相互研鑽、[浅原義塾]の看板を掲げた座学型研修、社員間の親睦や連帯感の醸成を図る共済会イベントなどの活動も含めて、社員が連携・協調して社会に共感を持たれる新価値創造に取り組んでいます。

■会社データ

所在地  神奈川県横浜市港北区綱島東6-3-20
設立   1959(昭和34)年4月
代表者  高橋 常夫
資本金  33憶1,700百万円(東証スタンダード上場)
従業員数 連結:340名(2023年3月末現在)
事業内容 計測制御デバイス関連、電源パワー制御関連、環境エネルギー関連、校正・修理等
https://nfhd.co.jp

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