icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

創立80周年のSCREENグループの中核を担う半導体製造装置メーカー 【株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ】

キラリ、企業ハッケン!

2023.12.27

SHARE WITH

  • facebook
  • X
  • LINE

 株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズは、東京証券取引所プライム市場に株式が上場されているSCREENホールディングスの中核事業会社。長年培った表面処理、直接描画、画像処理の3つを技術のコアとし、半導体洗浄プロセスにおいて世界ナンバーワンのシェア(同社調べ)を誇る半導体製造装置メーカーだ。沿革をたどれば、1868(明治元)年に京都で創業した石版印刷業の石田旭山印刷所をルーツとし、写真製版用ガラススクリーンを製造する大日本スクリーン製造の1943年の発足にさかのぼる。2014年には意思決定のスピードアップを狙ってSCREENホールディングスに組織を再編し社名も変更。2023年10月には設立80周年を迎えた。
 印刷関連事業を発展させながら、1970年代に半導体製造装置分野に参入し、微細処理の技と創意を生かした装置やサービスの提供を強みとする。半導体製造には、1000ステップを超える工程があるが、このうち約30%が洗浄のプロセス。パーティクルと呼ばれるナノメートルサイズのゴミがシリコンウェーハにわずかでも付着していると品質に影響を及ぼし、歩留まりが悪化するため、たとえると、東京ドームの中に花粉の一つも落ちていない、というような高い清浄度が必要となる。SCREENは長年培った技術力で、その要求に対応できる高い洗浄性能の装置を生み出している。

シリコンウェーハの洗浄分野では業界トップのシェア握る

・AI、自動運転、ロボット- IoT 社会の発展に伴って伸び続ける半導体需要に呼応
・滋賀・彦根で5 番目の新工場が稼働、生産能力拡大で供給責任果たす
2023年11月にリリースした塗布現像装置「RF-200EX/RF-300EX」

2023年11月にリリースした塗布現像装置「RF-200EX/RF-300EX」

ユーザーごとのカスタマイズが特徴

 洗浄装置の他にも、塗布・現像、熱処理、検査・計測など多彩な装置ラインナップを有するが、ユーザーの要望に合わせてカスタマイズするというのがSCREENセミコンダクターソリューションズの特徴。カスタマイズを積み重ねた結果、同じ型番の装置でも、ユーザーによって全く異なる仕様になることもあるという。エンジニアが自信を持ってオンリーワン装置を作り上げ、ユーザーに寄り添う。これが競争力に直結する。
 足元の半導体産業は、調整・停滞期と見る向きがあるが、IoT社会の進展に伴って、早晩100兆円市場に成長すると予想されている。中長期の展望に立てば、メーカー側としては増産体制を整備する必要に迫られており、同社では滋賀県彦根市にあるSCREENグループ最大の製造拠点である彦根事業所内に、2023年1月、4番目となる工場を稼働させ、一時は需要に供給が追い付かず受注残が積み上がった状態の抜本解消に動いた。さらに2024年1月には5番目となる新工場が稼働予定。ループ会社でも富山県高岡市および福島県郡山市で生産拡大に乗り出している。
(左)エンジニアが自信を持ってオンリーワン装置を作り上げる
(右)社員が朗らか、誠実という社風

企業成長の原動力は人にあり

 生産体制の拡充とともに、企業成長の原動力は人にあるとして、人事面の改革にも力を注いでいる。2023年にはCSV(クリエイティング・シェアード・バリュー)として、「微細処理の技と創意でよりよい情報社会の流れをつくり人と未来をつなぎ続けます」を掲げた。併せて2032年には売上高1兆円以上を達成し、市場の成長以上に業績を伸ばして存在感を高めるという長期目標と呼応する形で、2022年4月から「戦略人事部」を設置し、人材の質と量の向上策を打ち出した。毎年100人規模以上の採用を続ける一方で、博士号取得者等の高度専門人材の積極採用により事業推進につなげる。各組織固有の問題解決を図るべく組織・人材開発メニューの導入や、新入社員にはOJTのみならず、OFF-JTを1か月半実施。育成の当事者となる管理職に対しても人材育成や人材マネジメントをしっかり学んでもらうことにしている。
 同社の社風は、上司は物腰柔らかで、社員が朗らか、誠実というものだ。そして、心理的安全性を土台に積極的なチャレンジを推奨している。新入社員に対しては、自主的に考えて行動できることを求めている。同社グループの創業の精神でもある「思考展開」を主体的に実行できるかどうか。常に考え抜く、徹底的に考えて努力する、行動するという実行力を期待している。こうした人材が育てば、製品のカスタマイズという「究極の顧客志向」を継続発展させることができるとみる。社員一人一人の個性を尊重する町工場的な現場力や良さが社内にはあり、担当者の自立的なチャレンジを引き出すボトムアップカルチャーで発展を目指している。

《わが社を語る》

微細処理の技と創意で様々な社会的課題を解決

微細処理の技と創意で様々な社会的課題を解決

代表取締役社長執行役員 後藤 正人氏

 半導体は、情報社会の流れをつかさどることでさまざまな社会的課題を解決しています。半導体製造装置をつくる私たちは、「情報社会の流れをつくっている」といっても過言ではありません。すなわち、強みである「微細処理の技と創意」を生かした装置やサービスを通じて、様々な社会的課題を解決していきたいと考えています。今後も専門領域の技術を磨き、お客さまに信頼される存在になり、ビジネスを拡大し、社会に貢献する存在であり続けたいと願っています。そのためには、市場成長以上に成長し、業界内でのプレゼンスを維持・発揮することが必要です。私たちはこれまで以上に、世界中のお客さまへ付加価値を届け、半導体市場の発展に貢献していきます。

■会社データ

所在地:京都市上京区堀川通寺之内上る四丁目天神北町1番地の1
設立:2006(平成18)年7月3日
代表者:後藤 正人
資本金:3億1,000万円
従業員数:1240名(2023年10月現在)
事業内容:半導体製造装置の開発、製造、販売
U R L:https://www.screen.co.jp/spe

RELATED