「得意なパルス回路技術でユニークな製品づくりをしていこう。」
社名のユニパルスには、この志が込められている。1970年の設立から半世紀以上、電気抵抗値によって金属の伸縮を測定するストレンゲージ(ひずみゲージ)のノウハウを生かし、重さや圧力、衝撃などの荷重を測定するロードセルのラインアップを拡充してきた。
社名の通り、世界に先駆けてウェイングインジケータ(計量指示計)を製品化したほか、回転トルクメータ「UTM」シリーズはシャフト型トルク計測のスタンダードになった。製品群のすそ野を広げ、近年は重量物のハンドリングをアシストする電動バランサも事業の柱に育ちつつある。
同社初となるデジタルロードセルを開発した技術部電気設計課技師の岩本阿南さん(2020年入社)、その後輩の技師補 馬瀬貴大さん(2022年入社)、電動バランサの吊具をゼロから手がけた同部機械設計課技師の山本一樹さん(2020年入社)。志を引き継ぎ、次代を担う3人の技術者のリアルな声を聞いた。(敬称略)
はじめて任された製品は、自社初製品
-岩本さんは入社後、約6年間がたちました。これまでを振り返り、最もやりがいを感じた仕事は何でしょうか。
岩本 入社2年後に担当したデジタルロードセルの開発ですね。それまでは主に先輩のお手伝いをしていましたが、一から任された案件でした。ユニパルスで初めてのデジタルタイプということもあり、気合が入りました。アナログの場合、ノイズなどの不要な信号の影響を受けにくくし、必要な信号のみを取り出すアンプが必要になりますが、デジタルはこの機能を内蔵させます。それだけに3、4カ月、試行錯誤して製品化にこぎ着けました。現在、高耐負荷圧縮型デジタルタイプ「DSCB」として展開しています。まだアナログが主流ですが、デジタルの良さを訴求していきたいですね。
-初受注した時はうれしかったでしょうね。どのような用途で採用されていますか。
岩本 負荷時の変形が小さいので、工作機械の切削や研削動力の荷重測定に適しています。専用指示計が不要で、パソコンに接続して荷重の変化をリアルタイムで確認できます。また、ロードセルは過負荷による破損が少なくありません。ならば耐負荷500%にして壊れにくくしようというコンセプトで開発された高剛性圧縮型の「スーパーセル」も展開しています。私の開発案件ではありませんが、柔軟な発想でモノづくりをするユニパルスらしい製品の一つですね。
(左)初めての製品開発の様子を語る岩本さん
(右)開発に携わったデジタルロードセル
いろいろ聞けるフランクな職場、・・・だけど
-馬瀬さんは、岩本さんと同じ課の後輩ですね。何を担当していますか。
馬瀬 指示計などの基板設計を担当しています。入社後に覚えることがたくさんありましたが、フランクな雰囲気の職場なので、わからないことやうまくいかないことがあったら、すぐ先輩に質問しています。すると「ここがダメだよ」などと理由を教えてくれるのですが、なかなか理解できず、復習した後、あらためて答え合わせするといったことも少なくありませんでした。勉強も仕事のうちといった感じです。
-苦労すればするほど、成功した時はうれしいでしょうね。これまでに開発した製品はありますか。
馬瀬 まだ手がけていませんが、実は変位計の新機種の開発を任されることになりました。コツコツと積み上げてきた知識を生かしてモノづくりできるので、とても燃えています。先輩方は多くの新製品を生み出してきました。昔は1人で一から十まで手がけて製品化していたそうです。それだけの実力があったということなので、かっこいいなと思います。私もそんな技術者になりたいですね。
-修行が終わり、もう一段、ステージが上がりますね。
(左)キャッチアップの必要性を語る馬瀬さん
(右)開発に携わる指示計