-山本さんは岩本さんと同期入社です。お二人とは異なり、吊具はメカニカルなものづくりですね。電動バランサで持ち上げる対象は段ボールや紙袋などと多種多様なだけに、吊具の種類も豊富でしょうね。
山本 吊具の開発は当初は予定されていませんでしたが、顧客の需要に応えて開発することになりました。現在、例えば段ボールの場合、両端はさみ式や横上はさみ式、真空グリッパ式、差し込み式があります。このほか、対象に応じてクランプ式、ネジクランプ式、ベルト式、マグネット式などを開発しました。対象はサイズや重量、形状が異なるため、一品一品カスタマイズ(個別対応)しています。脱着が容易で使いやすいのはもとより、指を挟んだり、ハンドリング中に落下しないよう、安心・安全な機構であることにこだわっています。
-初挑戦だっただけに、産みの苦しみがあったでしょうね。
山本 私もメイン担当として、後輩と二人三脚で一つひとつノウハウを積み上げました。とにかく現場に出向いてニーズを聞き、四苦八苦して営業の希望納期に間に合わせたなんてこともありました。本格的に受注を開始した2021年当時は年間約20案件でしたが、現在は年間約200案件まで増加し、手応えを感じています。専任も4人体制になったので、もっと受注を伸ばしたいですね。
(左)吊具の製作は試行錯誤と語る山本さん
(右)主力製品ムーンリフタにとって吊具は売れ行きを左右する重要な要素
-開発では社内外の関係者とのコミュニケーションを密にすることが欠かせませんね。
山本 吊具の開発を通じてさまざまな現場の声を聞きました。やはり、ものづくりの知識だけではなく、常にニーズに寄り添って顧客満足度を高める姿勢が大切だと感じています。また、学生時の専門分野は今の仕事と全く関係がなく、新潟大学理学部物理学科で原子核近傍の現象を研究していました。ですが、大学で培った研究プロセスの知識や経験は、異なる分野の仕事であっても生かせると思います。
-なんだか難しそうな研究ですね。岩本さんは広島大学大学院総合科学研究科で、磁束量子ソリトンを用いた時間二重スリット実験の理論研究をされていました。これも難しそうなテーマですね。
岩本 確かに難しかったですね。私も大学院での研究はロードセル開発に直結していませんが、山本さんと同じように感じています。課題を設定し、仮説を検証する。こうした研究手法は、モノづくりに共通して生かせます。また、ものづくりは、理論研究とは異なり、明確な一つの正解があるわけではないことを実感しています。トライ&エラーを繰り返し、よりよいモノをつくる。こうした姿勢が重要です。
-馬瀬さんは法政大学理工学部電気電子工学科で、生物の集団行動をもとにした最適化法について研究されていましたね。
馬瀬 電気回路の基礎知識はあったものの、就職する上で、ソフトウエアに関する知識を持つ必要があると思って、この研究をしました。ちなみに、私は就職の際、まずメーカーであること、かつニッチ分野で活躍していることを重視していました。というのも、こうした会社のほうが、癖が強いというか、独特なオーラをまとった技術者がいて、たくさんのことを学べるだろうと思ったからです。実際、ユニパルスは採用面接の質問からして奥が深かったので、「入社したい!」と思いました。これからも自発的に行動し、技術や知識をもっと吸収したいですね。
-馬瀬さんにとって願ったりかなったりの職場ですね。皆さんからも独特なオーラを感じます。本日はありがとうございました。
・設立:1970年4月1日
・資本金:9500万円
・代表者:玉久 明子
・従業員数:275名(2026年1月1日時点)
・事業内容:ストレンゲージ・荷重・変位・トルク・振動などのセンサ並びに 光学機器・メカトロニクス機器・エレクトロニクス機器の製造・販売
・事業拠点・本社 / 東京都中央区日本橋久松町、埼玉工場 / 埼玉県越谷市
営業所 / 名古屋、大阪、広島