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「地図に残る仕事」を支える 確かな技術で業界をリード 社会の安全を実現する100年企業の「信頼と革新」【株式会社オクジュー】

キラリ、企業ハッケン!

2026.03.09

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・「大規模空間の天井=オクジュー」ブランドを確立
・「誠実な施工」と「人を育てる仕組み」で信頼される施工力(技術力、機動力、管理力)
 株式会社オクジューは1922年に創業した老舗企業だ。創業当初は、薄い金属板に切れ込みを入れて網状に加工したモルタル壁用下地材「メタルラス」の販売を手がけていた。
 当時の日本の建造物は木造が主流で翌年9月に発生した関東大震災による火災で東京が大火に見舞われたことから、火災対策の重要性が意識されるようになる。これを受けて耐火性能の高い金属建材の需要が増えたのを背景に、同社は米国からの輸入販売から転じて自社製造体制を確立した。

震災が磨いた「安全を設計する力」 ―火を使わない天井技術と耐震施工の進化

 オクジューにとって震災の経験は「技術革新の原点」となった。1994年には、天井下地材の接合を溶接からビス止めに転換する新工法を生み出した。当時の施工現場からは「溶接のほうが早い」との反発もあったが、翌年の阪神・淡路大震災で多くの天井が落下したものの、同社の施工箇所は被害が少なかった。
 その結果、「火(溶接)を使わない、落ちない天井(鋼製下地無溶接工法)」という新たな業界標準を打ち立て、同社の名が建築業界で広く知られるきっかけになる。こうした経験が「安全性を最優先にする企業文化」の形成につながった。
 2011年に発生した東日本大震災では、公共施設や体育館の天井落下事故が社会問題となる。同社は被災建物の改修工事を担当し、被害現場を通じて「軽量で安全な天井材」の必要性を痛感する。これが避難所としても利用される体育館向けに、地震発生時の落下被害を最小限に抑える「超軽量天井システム Lite-Safe(ライトセーフ)」や、仮設足場を設置することなく劇場などの天井耐震化を図る「タフティングサポート構法」の開発につながった。
 その後、同社は「命を守る天井」という開発テーマを、明確に打ち出すようになる。「大地震は今後も起こりうる。その中でより安全な空間を作る建築部材や施工方法を追求することが、我々の務めだ」と、熊本辰視社長は話す。震災の経験は技術革新だけでなく「災害を防ぐ責任」と「安全を設計する使命」を、同社に再認識させる転機ともなった。
 同社の技術力を象徴するのが、体育館やアリーナなどの大規模空間で採用される「大規模天井無足場工法」だ。通常、天井施工には高所足場が必要だが、同工法では天井材をレールに沿って押し出すことで、足場を組まずに施工できる。1986年に大手ゼネコンと共同開発した同技術は、施工の安全性と効率を大幅に高め、全国の大型公共施設やスポーツアリーナの施工において採用されている。
溶接に頼らず強度を確保するNWD工法。火災や有毒ガスの発生を 解消し安全で快適な作業環境の無溶接金物

溶接に頼らず強度を確保するNWD工法。火災や有毒ガスの発生を 解消し安全で快適な作業環境の無溶接金物

次の100年へ、 環境と人を育み「持続可能な未来」を拓く

 持続可能な社会づくりが求められる中で、同社は環境負荷の低い建材開発にも注力している。再利用可能な金属パネルの研究も進めており、「洗えば再利用できる天井材」という新たな発想で、建設現場のカーボンニュートラル化を後押しする。
 建設業界では慢性的な人手不足が続く中、同社は社員教育の充実にも力を入れている。かつては短期間の現場研修が中心だったが、現在は6カ月間の研修を経て、会社全体の流れを体系的に学ぶプログラムを実行。設計から施工までを包括的に学び、1~2年にわたり先輩社員の指導を受けることで、若手技術者の定着と成長を支えている。
 同社の社員が口をそろえて語るのは、「地図に残る仕事」への誇りだ。若手社員が早くから責任ある仕事を任される社風や、手厚い資格取得支援策やヨーロッパでの海外研修など、働く喜びと挑戦の場が用意されている。
 建物は数十年にわたり人々の生活を支えるインフラだ。だからこそ、同社は創業以来「信用第一」を掲げてきた。熊本社長は「どんなに巧みな宣伝や説明よりも、誠実な施工こそが最大の評価につながるというのが企業としての信念だ。全社員が誠実さと技術力をもって仕事に向き合うこと、それがオクジューの企業理念であり、100年を超えて受け継がれる企業精神なのだ」と話す。
 創業から1世紀を超えた今も、オクジューは「技術革新と信頼」を軸に、天井施工の未来を見据える。社会に安全と快適を提供する使命の下、夢空間づくりのパイオニアとして世界に誇れる空間づくりへの同社の挑戦は続く。
天井仕上げ工法の様子

天井仕上げ工法の様子

代表取締役社長 熊本 辰視氏

代表取締役社長 熊本 辰視氏

〈企業理念〉
信用第一

会社DATA

創業:1922(大正11)年10月
設立:1936(昭和11)年1月
所在地:大阪市北区西天満5丁目3番7号
資本金:9,000万円
従業員数:260名(2025年9月30日現在)
事業内容:天井、壁などの施工を通じての空間づくり
URL:http://www.okuju.co.jp

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