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要素技術からシステムまで、幅広い技術を融合し社会課題の解決に挑む【三菱電機・先端技術総合研究所】

キラリ、企業ハッケン!

2026.09.30

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 三菱電機の「先端技術総合研究所」は、広範な事業領域を持つ三菱電機グループを支える研究開発拠点として、デバイス、機器、制御、システムにおよぶ幅広い領域で社会課題を解決するコア技術と新たな価値の創出に挑んでいる。高齢化が進むなかアルツハイマー病の早期診断を可能にするべく、磁気粒子イメージング技術の実用化に挑む若手技術者に、未来を作る「シゴト」を聞いた。
先端技術総合研究所(兵庫県尼崎市)
 「先端技術総合研究所」は、1921年設立の三菱電機が1935年に設置した「本店研究課」を源流とし、1995年に中央研究所と材料、デバイス関連の研究所を統合して発足した。兵庫県尼崎市の拠点には専門分野ごとに16の技術部門とプロジェクトグループが集まる。伝統と実績を誇る日本を代表する研究所は、新たな試みとして『研究者の遊び場』と呼ぶ「sPARK Lab(スパーク・ラボ)」を2026年3月に開設。社員なら誰でも使える自由な空間に技術者たちが集い、電機・エネルギー、メカトロニクス・制御、環境・材料、デバイス・センシング、システム構築など技術分野の垣根を超えて新たな「閃き(sPARK)」を生むべく議論を戦わせている。
電機・エネルギーシステム技術部 電磁気応用技術グループ主席研究員の鷲野将臣さん
 今回お話をうかがったのは、入社から10年、先端技術総合研究所の電機・エネルギーシステム技術部 電磁気応用技術グループ主席研究員の鷲野将臣さん。ナノメートルサイズの微細な磁気粒子の動きを測定し画像化する技術を研究している。その応用分野として開発に取り組んでいるのが、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβと磁気粒子を結合させ、脳内に原因物質がどれだけ溜まっているか発症前に画像としてとらえる装置。現在の放射線を測る技術では発症後しか測定できないため、実用化すればアルツハイマー病の早期診断と治療に大きな効果を発揮すると期待されている。
 この装置の開発には、工学・物理学の知見だけでなく医学との連携が必要だった。三菱電機を中心に厚生労働省系の日本医療研究開発機構(AMED)の支援プロジェクトとして、大阪大学、神戸薬科大学、放射性医薬品の日本メジフィジックスなど6機関が参加した。鷲野さんは若手ながら国プロジェクトの中心で活躍し、人間の脳のサイズを実際に測定できるプロトタイプの完成に貢献した。装置はその後、治験を経て、2030年の実用化を目指して開発が進められていた。

見えない物体を追い、『ノイズ』が仕事になるユニークな部署に配属

リケイ 大学で原子力を専攻したのはなぜですか。

鷲野 数学と物理は昔から得意で、高校ではその先の原子や素粒子の世界に興味がありました。物体ってどこまで小さくなるんだろうと興味を持っていましたね。大学では原子力・エネルギー分野を学び、大学院では素粒子物理の研究に取り組みました。そこで、宇宙の未知の物質を探す実験をするようになりました。

リケイ 研究テーマの「ダークマター」とは何ですか?

鷲野 銀河の動きなどを調べると、宇宙には人間が見ることも触ることもできないけれど重力を及ぼす未知の物質「ダークマター」の存在が示唆されています。私が研究していたのは、その候補の一つであるアクシオンです。アクシオンは強い磁場の中で光に変換される可能性があるので、そのごく微弱な光を検出する装置を作っていました。実際には信号よりノイズの方が圧倒的に大きく、ずっとノイズと格闘していましたね。

リケイ 就職先に三菱電機を選んだのはなぜですか?

鷲野 工場見学会があって、先端技術総合研究所を訪問しました。そうしたら、電磁ノイズを専門に研究しているチームがあるというじゃないですか。ダークマターの検出でノイズと格闘していましたから、ノイズが『仕事』になるのかと不思議な感じでした。製造業を縁の下で支えているのが、こういった泥臭い技術だというのは結構面白いなと思い、ここに入って仕事にするのもいいのではないかと。
「大人しい人ばっかりと思いきや、エネルギーの塊のような推進力がある人が多いんです」と語る鷲野さん
リケイ そのままノイズ対策チームに配属されたのですね。

鷲野 2016年に入社してノイズ対策チームで工場自動化(FA)分野を担当しました。シーケンサー、サーボモーターを主戦場に、外部からのノイズに影響されにくくすると同時に、機器自身が発生するノイズも抑える研究です。ものづくりの上流から下流まで、開発・設計、製造、品質保証まで関係するテーマですから鍛えられた気がします。当時所属していた部署の半分はノイズ対策ですが、もう半分はノイズとあまり関係なく粒子線治療装置でガンを治そうとしていたり、超電導を研究していたり。いま担当している認知症の診断技術もこのチームの中にあったテーマなんです。
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