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 三菱電機の情報技術総合研究所は、神奈川県鎌倉市にキャンパスのような拠点を構え、若手とベテランが最先端の情報通信技術で「想像を超える未来」をかたちにする研究に取り組んでいる。技術の守備範囲は、情報システム、通信・ネットワークからAI、データ分析、情報科学、量子、センシング、光電波、電子デバイスまで幅広い。
情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)
 情報技術は人々の暮らしや社会に深く浸透し、新たな製品やサービスが日々生み出されている。そしてあらゆるものがネットワークを介してつながり、さらなる価値が生まれ、最新の半導体に支えられたAIの進化は人々の暮らしを激変させる。情報技術総合研究所は、情報通信技術のプロフェッショナル集団として、たゆまぬ技術革新と限りない創造力で革新的な研究開発を加速し、家電から産業機器、社会インフラまで三菱電機の製品群を支える。研究者たちの願いは「今を未来へつなぐ原動力」となり、未来をよりよいものに変えてゆくことだ。
マイクロ波基盤技術グループの久楽顕さん(左)とマイクロ波CNCEプロジェクトグループの森田佳恵さん(右)
 今回お話をうかがったのは、2018年に入社したマイクロ波CNCEプロジェクトグループの森田佳恵さんと、2021年入社でマイクロ波基盤技術グループの久楽(読みは「くだら」、「楽」は旧字体)顕さん。
 森田さんはマイクロ波技術によりカーボンニュートラル(CN)やサーキュラエコノミー(CE)など環境保全につながる研究を担当。現在は半導体増幅器を用いたマイクロ波加熱で、対象物を効率的に加熱する研究を進める。マイクロ波はもともと情報通信に利用される電波だが、その出力を高めて適切に制御することで、物質を効率よく加熱する用途にも活用できる。
 久楽さんは、次世代の6G通信や量子コンピュータの実用化に欠かせない高周波帯域の増幅器開発に取り組む。早稲田大学の修士課程を終えて入社後、改めて早稲田で博士課程を修了、スウェーデンのチャーマーズ工科大学にも留学した。
 このなかで、先進的な応用分野を切り開く二人の若き研究者に「シゴト」を聞いた。

語れない自分を反省し厳しい研究室へ

リケイ 森田さんは埼玉大学で物理、久楽さんは早稲田大学で物理を専攻されたのですね。

森田 宇宙に興味があり、修士課程では衛星の観測データを使って地球の超高層大気を調べる研究をしていました。衛星は基本的に天体を観測するためのものですが、地球の影に入る時間は地球の大気を観測しています。本来の目的である天体観測には使われないデータですが、それを地球の大気の研究に活用しました。分析していくことで、大気の組成が分かっていくのが面白かったですね。

久楽 なんとなく過ごしてきた大学3年の時、自分には何も語るべきものがないなと反省して、研究室は学部生でも学会に出ていくような厳しいところを選びました。研究テーマはダイヤモンド半導体の開発です。信号を増幅する性能は半導体の材料特性で決まり、ダイヤモンドは既存のシリコンより高出力で熱の伝導率も高くなる優れた材料なんです。ただ、設計するためのモデル化がすごく難しい。研究室は「失敗して学べ」みたいな雰囲気でした。

会社での研究は自分を成長させ社会に貢献できる

リケイ 就職先に三菱電機を選んだ理由は。

久楽 修士1年の時に研究室と三菱電機が共同研究をしたんです。夢のダイヤモンド半導体に若者が取り組んで、どれくらいの特性が出るものか興味があったのでしょう。三菱電機のマイクロ波帯の測定技術を使わせてもらいました。それがいまいる部署の方々で、みんな博士号を持っていて留学経験がある。この人たちと一緒に働けば、自分のレベルを上げられると思いました。入社してみたら変わった人もけっこういましたけど(笑)。
「この人たちと一緒に働けば、自分のレベルを上げられる」入社動機を語る久楽さん
森田 大学では衛星の観測データを使う側でしたが、今度は衛星を開発する側として、学んだことを社会に役立てたいと考えました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)を見学した際、実際に衛星の開発が進められている様子を見て、「自分もやってみたい」と感じました。そして気象衛星など、社会に役立つシステムを開発している三菱電機に魅力を感じ、入社しました。
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