高度・一貫物流を実現【佐川グローバルロジスティクス株式会社】
佐川急便を中核とするSGホールディングスグループのロジスティクス部門を担うのが佐川グローバルロジスティクスである。同社は全国各地に物流倉庫を構え、保管・仕分け・物流加工・情報管理といった倉庫の運営に関する業務を幅広く手がけている。日中間や中国国内の物流業務にも力を入れ、社名にうたったグローバル（世界的規模の）ロジスティクス（高度化された一貫物流）を日々、成長発展させている。
現在、大都市を中心に全国97拠点を構え、1,000社にも及ぶお客様のニーズに応えている。拠点数は数年後に100を超える見通しだ。
SGホールディングスグループのロジスティクス企業
●「モノと想いをつなげる」
●先端のロボティクスとデータ活用で物流を進化
ロボティクスとデータ活用 は成長に欠かせない
2020年に竣工した次世代型大規模物流センター「XフロンティアⓇ」内で同社はECプラットフォームを運営している。労働人口減少に加え、ECの需要が高まる中、現在の水準で物流を維持するにはロボティクスの力が欠かせない。作業中の歩行距離を減らす棚搬送ロボットや自動立体倉庫、段ボールの使用量が少なく環境面での評価も高い自動梱包機など、省人化を実現する機械を多数導入している。同社の物流ソリューション部では効率的なレイアウト設計から機械の効果検証まで、緻密な計算を基に現場設計を行っている。「人とロボティクス」の融合を掲げたこの拠点では、従来のオペレーションにかかる人数の約半数で運営することが可能になった。
また、これまで積み重ねてきたデータの活用にも着目し、拠点展開や輸送網までサプライチェーン全体を網羅した物流提案を行うコンサルティングサービスも始めている。データを読み解き、需要予測などに発展させることで、さらに効率的な物流が実現できる。
SGホールディングスグループの中で、ロジスティクス事業を展開。コンサルティングやプラットフォーム物流（通販物流）、 オーダーメイド物流、輸送チャーターを得意とする3PL企業
コロナ禍でも社会インフラ として活躍
同社は新型コロナウイルスワクチンの保管、仕分け業務を多くの自治体から受注した。使用期限が短く、厳密な温度管理が欠かせないワクチンの出荷では、迅速さ、正確さが何より求められる。難易度が高い業務であったが、社内で迅速にプロジェクトを立ち上げ、担当者の教育から庫内設備まで、オペレーションの準備を整えた。
自治体ごとのニーズに応えながらも、個々の倉庫での事例やノウハウをスピード感を持って全国に水平展開した。「破損やミスによるワクチンの廃棄がないなど、自治体担当者様からも高い評価をいただいております」（広報）。
外出がままならないコロナ罹患者へ向けた配食も、ワクチン同様、全国各地で請け負い、物流で人々の暮らしを支え、社会的責任を果たした。
（左）資材、機材（マテハン）を調達・設計する専門スタッフを揃え、顧客の用途、作業性、環境面等に配慮したロジスティクスソリューションを資機材面からもサポート
（右）物流施設において、現場設計・システム・マテハン機器等を顧客の事業内容・流通形態・商流に合わせて構築
中国経済の発展とシンクロ する
海外展開では中国での取り組みに力を入れている。中国物流会社の買収などにより、中国国内および日中間の一貫物流体制を強化・拡充している。自動運転車両の導入やアプリと連動した貨物のリアルタイム追跡など中国国内で物流に関わるテクノロジーの進化も目覚ましい。日本で培ってきた倉庫運営の知見と、ローカルのネットワークを駆使して活躍の場を世界に広げている。
顧客の経営課題を理解したうえで物流 コスト削減やサービスレベルの向上な ど、最適なロジスティクスを提案し、 業務改善に貢献
ロジカルな思考と創造性で 活躍の場が広がる
リクルート面では毎年、60～70人ほどの新卒を採用し、正社員の男女比では、女性が3～4割の比率。「特に、ここ2、3年は女性が増えて、新卒の半分以上が女性の年もあります」（広報）。倉庫内では、日々より良いオペレーションを目指して改善が欠かせない。物事を数字で捉える力、ロジカルな分析力とともに、アイデアや創造性も求められる。これからも物流管理システムやロボティクス、データサイエンスといった領域での人材が欠かせないと見て、理系人材の積極的な採用を進めている。
≪わが社を語る≫
■会社データ
本社所在地：東京都品川区勝島1－1－1
設立：2013年5月
代表者：代表取締役社長 山本将典
資本金：34億5,000万円
社員数：7,665人（2023年4月1日現在）
事業内容：ロジスティクス事業
https://www.sagawa-logi.com/
今日の企業を取り巻く環境は、世界経済の潮流や、地政学的リスクの顕在化など依然として先行き不透明な不確実性の高い状況が続いていることに加えて、環境保全への対応など、企業経営に大きな影響を及ぼしています。私たちも倉庫事業にとどまらず、DXやSDGsへの取り組み、物流のデータ分析に特化したコンサルティングサービスなど、サプライチェーン全体を網羅する広い領域でお客様の物流をサポートいたします。
倉庫での業務は、より良い方法、より効率的なオペレーション、日々改善の連続です。これからも、従業員一人一人が知恵を出し合い、新たな価値を創造できるロジスティクスのプロフェッショナルであるために挑戦を続けてまいります。