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メーカー機能を併せ持つ電子部品商社。アナログ・センサ技術に強み【グローバル電子株式会社】

キラリ、企業ハッケン!

2023.06.05

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 グローバル電子は特色のある電子部品商社だ。世界約50社の一次代理店としてセンサ、半導体、機構・受動部品、電源などの電子部品・機器を販売する一方、1978年の創業以来、一貫してアナログ技術、センサ技術に磨きをかけ、それを組み込んだカスタムモジュールやボード、センサ応用製品を開発・販売している。さらにグループ会社のグローバルマイクロニクス株式会社では乳幼児用体動センサ「BeBeシリーズ」など医療・介護福祉・保育施設向け医療機器を開発・製造している。このほか、住宅建材や、中国・大連市の現地法人で製造するヒートシンク(放熱器)もある。音や温度など自然界の事象は基本的にアナログ量であり、そのアナログ量を正確に測定する技術がまず重要だ。アナログ技術があって初めてデジタル技術が生きる。一木茂社長は「アナログ技術を追求し極め、社会に貢献する」と強調する。

社員のスキルアップを支援。自由で闊達な意見尊重の風通しの良さで低い離職率

●世界約50 社の一次代理店。自社のアナログ・センサ製品も提供
●グループ会社で医療・介護福祉・保育施設向け医療機器を開発・製造

19年にグループ開発センター開設。メーカー機能を強化し商社との利益構成を半々へ

 グローバル電子がメーカー機能のマツダマイクロニクス(現グローバルマイクロニクス)を設立したのは、創業から6年後の84年と早い。「市場の要求にスピーディーに応え、付加価値を持った製品サービスを提供するため」(一木社長)で、創業者である松田樹一会長の先見の明が光る。2000年代に入ると、シンガポール、香港、中国・深圳に海外拠点を設け、「日本の電機メーカーなどの海外進出により、現地で部品を調達するニーズに対応した」。グループ全体に占めるメーカー部門の比率は約20%と、コア事業である電子部品商社の比率のほうが大きい。将来的には、全体の売り上げを伸ばす中で「商社とメーカーの利益構成を半々にするのが理想」と言う。
 そのための切り札と位置づけるのが「アナログ技術とセンサ技術のクリエイト」だ。そのスピードを加速するため2019年10月、東京都新宿区納戸町に「グループ開発センター」を開設した。同センターは介護・医療、農業、省エネルギーなど新たな分野でのセンサ、IoT(モノのインターネット)機器の研究・開発機能としての役割を果たす。
 アナログは常に変動している情報をそのまま表すことができるが、ノイズ等に影響されやすく、データの再現や復元が難しい。昨今、アナログ技術者は減ってきている。一木社長は「アナログは経験値が大事。暗黙知と考えると極めるには時間がかかるが、付加価値が高く、守り続けなければならない」とアナログ技術を追求し、デジタル技術との複合を目指す考えだ。
(左)中国大連市の自社工場で開発・製造するヒートシンク
(右)新設したグループ開発センター
乳幼児用体動センサ「シエスタBeBe」

乳幼児用体動センサ「シエスタBeBe」

充実したスキルアップ・自己啓発への支援

 グローバル電子は海外の約50社が仕入先となっているだけに、海外メーカーとのコミュニケーション能力を高めるための支援制度が充実している。その中の一つが「入社後にTOEIC 570点以上、英検2級以上を取得すれば、毎月1万円を3年間にわたり支給する」というもの。英語を学ぶうえで、大きな励みとなるだろう。このほか、会社の業務に関係があれば、セミナーなどの費用を全額支給する。「社員のやる気を応援する」と言う。
 また、目標管理制度による人事考課は上下のコミュニケーションの促進のツールと位置づけ、目標については、本人の自己評価を含め上司と面談して決める。一木社長は「初めて日本に持ち込む商材はゼロから立ち上げるため、成果を得るまで2〜3年かかる。結果だけでなく、課題にいかに取り組み、克服していったかのプロセスを評価しないといけない」と説明する。
 社内コミュニケーションが活発であり、自分の意見が言いやすい・自己主張ができる雰囲気でオープンな議論が行われる等、自由で闊達な意見交換を尊重している。また、定時を過ぎても、上司が帰り支度を始めるまでは誰も帰社できないといった社内の雰囲気を悪くする規則やローカル・ルールが少ないのも特徴だ。
 経営理念に「会社の飛躍と個人(社員)の幸福を求める」と定め、会社と社員が同列であると謳っているとおり、風通しが良い社風なので、同社の離職率は低く、「全国平均の3分の1ほど」にとどまる。直近3年間の新卒社員は1人も辞めていない。
(左)多彩な取扱いセンサ製品群
(右)小中学生向けセンサを使った工作教室

《わが社を語る》

「挑戦したい」という思いをグローバルなフィールドで

「挑戦したい」という思いをグローバルなフィールドで

代表取締役社長 一木 茂氏

 資源に乏しい日本にとって、当社のコアビジネスである商社はこれからも重要であり続けます。欧米、中国や東南アジアなど多くの国々の人と接する機会があり、私も海外の方と異文化ながら理解し合い、同じゴールを目指してきました。仕事を通じた経験で視野や人脈も広がり今につながっています。若い人にも、同じように世界をフィールドに活躍してもらいたいと考えています。
 また、当社はアナログ技術とセンサ技術をコアとしたメーカー機能を強化しています。私たちが新たに挑戦しているフィールドです。変化の速いエレクトロニクス業界では変化に対応し続け、新たな事業を切り拓くことも必要です。「挑戦したい」という思いを私たちは大事にします。私たちの目指す様々なフィールドで共に挑戦していきましょう。

■会社データ

所在地: 東京都新宿区箪笥町35番地 日米TIME24ビル 
設立: 1978(昭和53)年7月18日
代表者: 松田 樹一、一木 茂
資本金: 8,300万円
売上高: 133億3,700万円(2022年6月期)
従業員数: 単体160名、グループ連結311名(2023年3月時点)
事業内容: 電子部品、電子計測器の製造・輸出入・販売、医療機器販売、住宅用建材の製造・販売
https://www.gec-tokyo.co.jp

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