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プラスチック製品のブランド価値を高める色作りのエキスパート 【オーケー化成株式会社】

キラリ、企業ハッケン!

2024.01.15

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 オーケー化成株式会社はプラスチックに色と機能を付加する素材のメーカー。1989年に、マーブル模様を表現する特殊な着色剤を開発し、特許を取得。印刷や塗装、フィルム貼り付けといった後加工なしに加飾する革新をプラスチック製品にもたらした。以降、メタリック調や石目調、木目調なども加えた多様な加飾技術を強みに成長。1994年に米国ロサンゼルスに工場建設したのを皮切りに、中国の上海やタイのアマタシティーにも製造拠点を設け、グローバル企業へと発展した。
 そんな同社が、ここ5年で新たな戦略を展開し始めている。社内にカラーデザインチームを組織し、製品を開発する企業の担当者やデザイナーと、仕様が固まる前段階で開発連携する「デザイン・イン」だ。色のプロフェッショナルとしてのカラー提案はもちろんのこと、製品コンセプトのイメージから具体的な材料や機能を付与する添加剤の提案まで、クリエーティブな提案ができる独自の体制を整えた。乾友守社長は「当社だからこそ出来る事がある」と確信を持って語る。

幅広い産業領域で、顧客の製品開発やブランディングをサポート

・質感や機能性にこだわった唯一無二の色を生み出す技術力
・環境配慮型プラスチックなども積極的に取り扱っている

独自のカラーデザインで広げる可能性

 国内6か所に整備したデザインルームでは、樹脂の種類や色、加飾バリエーション別に並べた数万種のカラープレートのライブラリーを前に、顧客の商品コンセプトを一から聞き出し、協働でカラーデザインしていく。顧客の思いに寄り添った提案をする空間がデザインルームだ。
 また、都内のビルの一室に成型機を設置し、顧客やデザイナーがイメージしている色のサンプルをその場で作成するカラーマッチスタジオも運営する。顧客が求める色は画一的ではない。無ければ作る。一切の妥協を許さない同社のこだわりが、このスタジオに表れている。「毎年変化する流行色や、環境対応で誕生する様々な素材。我々はそれに対応し、常にエンドユーザーの価値向上に焦点を合わせ、提案する企業にならなければならない」と、乾社長は自社の役割を意識する。
 その想いはしっかりと社員間でも共有されている。自分たちが提案して顧客に採用された案件について、その案件を担当した社員や採用に至るまでの経緯などをまとめたものを社内に掲示し、自社が作っているものが顧客の製品の価値向上にどのように繋がっているかの情報を共有できるようにした。社内の目に入りやすいところに、自分たちの仕事が実際の商品として形になっている情報を貼り出すことで、仲間を讃え合う組織風土を醸成するとともに、最終商品とその価値がイメージされ、素材を作る企業としての意識や想いが高まり、さらに新たな提案を生み出すモチベーションをつくりだしている。
(左)マーブル着色剤を使用した成型品
(右)プラスチック用着色剤

サステナブル材料で色を楽しむ

 海洋プラスチック問題で取り上げられるように、捨てられてしまうイメージの強いプラスチック。だが、化学技術の発展で生まれたこの合成材料は、丈夫で長持ちし、しかも再利用が容易だ。市場成長が著しい環境対応のプラスチックも次々と生まれており、同社は、生分解性ポリマーや自然素材の循環から作られる様々な樹脂にも意匠性や機能性をもたらしている。循環社会の中で、色を楽しむソーシャルグッドな商品開発に積極的に取り組む企業だ。
 また、近年はリサイクル樹脂のストーリー性や魅力を色で表現していくなど、環境対応と意匠性の両立を実現。開発部においては、カーボンニュートラルに新しい光を当てる技術開発に取り組んでいる。
 プラスチックのポテンシャルを同社と協働で探ろうとする企業は、車や家電、化粧品、日用品、建材などあらゆる分野で年々増加し、これらに対応するため、2022年は関東工場の隣接地に研究開発拠点を稼働させた。更に三重県で約6000坪の土地を取得し、カラークロッシングステーション(CXS)と名付けた同社最大規模の拠点を2026年に稼働させる計画を進めている。
(左)関東工場
(右)商談風景

《わが社を語る》

仲間を大切に、仲間と一緒に挑戦する。

仲間を大切に、仲間と一緒に挑戦する。

代表取締役社長 乾 友守氏

 オーケー化成の社名の由来は、「Open Kick(勇気ある挑戦)」。その挑戦は当社のビジョン『あなたのうれしいを色でつくる』から生まれます。社員のアイデアが次々に生まれる秘訣の1つは人材育成。新人教育には入社2、3年目の社員を充て、教えらえる方も教える方も伸びる仕掛けとし、管理職がそれをバックアップすることで着実に成長へと導く体制です。
 2023年度の方針テーマは『未来を描き日々進化』。これからは従来の職場作業が、益々テクノロジーに置き換わります。その進化の中で働く人達の価値は、人にしかできない、人ならではの想像力に置き換わっていきます。時代にふさわしく成長した社員が、自ら考えて出す案がオーケー化成の幅を拡げ、強みとなっています。昨日の自分と比べて少しずつ進む先に、企業としての成長があると考えています。

■会社データ

所在地:大阪市中央区備後町1丁目7番3号5階
創業:1966(昭和41)年5月
設立:1968(昭和43)年2月
代表者:乾 友守
資本金:9,000万円
従業員数:(国内)185名(海外含)280名
事業内容: プラスチック用着色剤・機能剤・成型機用洗浄剤の開発・製造・販売
https://www.ok-kasei.co.jp/

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