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『品質』を通じて社会に価値を創造する会社【大王電機株式会社】

キラリ、企業ハッケン!

2024.01.23

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 自動車や家電、医療機器など私たちの暮らしを支えるモノは、実に多種多様な部品や部材が組み合わさってできている。大王電機は、これらの品質を守る技術とサービスに特化した企業だ。事業全体を一般の人に一口で説明するのは極めて難しいが、「あえてわかりやすくまとめれば、工場向けFA装置とエンジニアリングサービスの会社」(近藤輝社長)だという。
 部品に刻印が入ることはない。ましてや、最終的に出来上がる商品のロゴで人の目に触れることなどない。「しかし、無くてはならない存在である」と近藤社長は静かに熱く語る。あらゆる製品とその製造工程が高度かつ複雑になり、品質管理ニーズの質と量が急激に高まる中、この分野で技術と柔軟性を磨いてきた大王電機の成長にも拍車がかかる。

工場向けFA装置とエンジニアリングサービスでモノづくりを支える

●複雑かつ高度化する顧客の品質管理ニーズに技術でカスタム対応
●約2,000 社の取引先を抱える計測器校正事業は、需要拡大でさらに伸長

顧客が製造するモノと現場を熟知している強み

 同社の事業の柱は、「計測器校正サービス」と、LSI(大規模集積回路)メーカー向けに開発から量産までのテスト全般を支援する「LSIテストソリューション」。そして、カスタム試験機や搬送部を含めた試験装置を開発する「計測システム開発」だ。
 この3事業に集約したのは2011年から2012年にかけてのこと。創業時は大手電機メーカーの通信機用トランス製造を請負い、後に技術力を見込まれて計測器の校正やLSI回路設計の一部を任され成長した。
 リーマンショックや国内半導体メーカー再編など環境変化に合わせ、大王電機はモノづくりそのものではなく、モノづくりを支える黒子に徹することを選択。ただ、モノづくりを源流に持つ企業DNAは、いまなおアドバンテージとして堅持する。
 例えばLSIテストソリューション事業。「半導体そのものとテスターを熟知する技術者を抱えているのが強み」だという。社内の技術者は勉強会や研修で最新動向を把握するとともに、技術課題を常に共有するチームとしての強さを誇る。テストのタクト改善や、複数個の一括テストなどで顧客が求める検査工程の最適化ニーズに応えている。
 モノづくりの現場を知っていることの強さは、ユーザーに寄り添った計測システム開発にも表れている。「品質の重要性は年々高まっているが、顧客の現場は人もスペースも足りないのが実情」。いかに省スペースで人手を介さないシステムを構築するかがカギを握る。
 機器の組み合わせは数千種(無限大)。顧客ごとに異なる要求や課題に、電気やソフトウェア、メカトロニクス、治具といった各分野の設計力を集結し、最適解を導き出す。
 一方、計測器校正サービスも、「オシロスコープやデジタルマルチメーターと一口に言っても、ユーザーごとに使い方が異なる」ため、専門性と幅広さの両方が求められる難しい世界。同社は高い技術力を持つ社員と、多様な種類の計測器の校正マニュアルを揃え、従来からの製造業界に加え、鉄道や医療など特殊分野をも取り込み、約2000社と取り引きしている。また、きめ細かなサービスが、競合との差別化ポイントだ。通常、宅配便でやり取りすることが多い校正サービス業界だが、大王電機は一定エリアで自社便ルートを構築。柔軟な引き取り・配送体制を敷くことで、顧客が計測器を使えない期間を低減するなど、ここでもユーザー目線が活きている。
異音検査装置

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これからも成長し続ける「大王の樹」。 ロゴから伸びた木が豊に成長し、社会と繋がっていくことを表現

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人材育成を経営の真ん中に

 「すべては人材あってこその事業」。近藤社長はそれを強く認識し、人材育成を経営の真ん中に据える。
 近年は、事業横断の育成管理者を置き、スキルマップで引き継ぐべき技術を明確にして目標設定することで、個人任せにならない技術継承を推進。経営ビジョンと中期経営計画を策定し、社内全体の価値観の共有や意識の向上を図っている。また、目標管理と進捗管理を明確に定めた人事評価制度を整え、新卒・中途採用を強化。ベテランと中堅、新たな人材など全世代のギアがかみ合い、顧客からの評価の高まりで新たな受注へ繋がる好循環が始まっている。
 「大王電機は、機械が動いて価値を創造する会社ではなく、人が考え、人が動いて、人が価値を提供する会社」。人材の成長が顧客メリットに直結し、ひいては自社の成長へと繋がるのだ。「働く人が一番大切」。そう語る近藤社長の言葉には、実感と強い想いがこもっている。
(左)若手・新入社員研修
(右)中堅社員研修

《わが社を語る》

働く人の人生の「品質」も

働く人の人生の「品質」も

代表取締役社長 近藤 輝氏

 「Cheer Up Your Quality ~『品質』を通じて社会に価値を創造する」が、我が社の経営ビジョン。ここで掲げている「品質」は、お客様の品質やモノづくり業界の品質だけではありません。働く人の人生の品質をも応援する会社、支える会社でありたいと考えています。
 2022年2月に50周年を迎えた我が社は社史ではなく、社員が思い思いの服装やポーズで写るアルバムを作成しました。ギターを片手にポーズを決める人、応援する球団やサッカーチームのユニフォームを着て満面の笑みを見せてくれる人─。あらためて、個性ある仲間の衆知が会社を創っていることを実感しています。
 社員とお客様、社会を支え、応援する。わが社はそれを実行し続けます。

■会社データ

所在地:兵庫県伊丹市北伊丹9丁目80番地1
創業:1972(昭和47)年2月
代表者:近藤 輝
資本金:7350万円
従業員数:107名(2022年4月現在)
事業内容: 計測システム開発事業、計測器校正サービス事業、LSIテストソリューショ
ン事業
https://www.daioh-denki.co.jp/

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