icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

アルミ製はしご、脚立、作業台の国内トップメーカー【株式会社ピカコーポレイション】

キラリ、企業ハッケン!

2024.01.22

SHARE WITH

  • facebook
  • X
  • LINE

徹底した顧客視点のモノづくりで様々な現場作業の安全と利便に貢献

 一般家庭のほか建築現場や工場現場など、様々な高所作業で幅広く使われるはしごや脚立。高所作業をするためのある意味ありふれた道具で、最先端の技術を競う世界とは無縁のように思える。官公庁の営業品目分類では「雑工具」に区分される商品だ。そんなはしご・脚立に変化と革新を加え続け、業界ナンバーワンのシェアを獲得したのが、株式会社ピカコーポレイションである。

プロ仕様と完全オーダーメイドを軸にしたニッチトップ戦略
年間 30 アイテムの製品開発力と BtoC & E コマースの次世代戦略
生産現場(アルミ溶接)

生産現場(アルミ溶接)

恵まれたポートフォリオ

 創業時は電材の販売店。ほどなくアルミ製脚立メーカーの代理店となった同社は、ダイレクトメールで販売量を伸ばすかたわらで脚立の修理を営み、やがてメーカーへ転身したのち、積極的な新製品開発に基づく豊富なバリエーションで発展を遂げてきた。三代目となる坂口泰生社長は、「当社が扱うのは〝雑工具〟。明らかに主役ではないけれど、作業や点検になくてはならないところに、恵まれたポートフォリオが存在する」と言い切る。
 とはいえ、最盛期には10社以上のメーカーがひしめいた業界だ。ニッチ市場で生き残るのは容易ではない。同社が定めたベクトルはBtoBを軸にしたプロ仕様。ホームセンターで流通する家庭向け商品も扱うが、企業や事業所向けの高付加価値商品をメインにしてきた。各種工場や物流、ターミナル、イベント施設に発電所。さらには鉄道、造船、航空機から宇宙開発関連に至るまで、幅広い現場の声を聞き、顧客ニーズに合わせた製品を次々に具現化しているところに、ピカコーポレイションの強みがある。
 例えば、ワンタッチの上部操作で脚部を伸縮できる特許機構の脚立「スタッピー」。かがまずに立ったままの操作で楽に脚部を伸縮できるほか、1脚ごとに伸縮できるため、階段などで威力を発揮する脚立として大当たりした。現場に即した作業台や足場など、他社が敬遠しがちな特注品を積極的に手掛ける姿勢も大きい。坂口社長は、「無理難題のなかに潜む市場性を察知して、そこを具現化していくところに新製品開発の素地がある」と言う。ノウハウと工夫を凝らし、設計から製作まで完全オーダーメイドを貫く特注品をベースに、標準品にしていく力の存在が、年間30アイテムに及ぶ同社新製品開発の隠れた原動力になっている。
 一方で、同社の新製品開発や改革マインドを象徴するのが、長年続く「アイデアシャワー制度」。もともとは工場の現場改善活動を全社に広げたもので、社歴にかかわらず社員全員に年間10件のアイデア出しを求めている。新たな商品提案であったり、業務改善提案であったり、特に若い社員のモチベーションアップに役立っている。
(左)はしご・脚立・作業台
(右)昇降作業台

四脚アジャスト式専用脚立 上部操作式 SXJ Stapiスタッピー

油圧マスト式昇降作業台 ノビッと! PR MOVIE(Full ver.)

(左)航空機メンテナンス用作業台
(右)ペット用品

社員に対するプライオリティを上げる

 現在、標準品の多くを中国拠点、高付加価値品はおもに日本国内で製造し、アイテム数では中国の比率が6割を占めるが、売上比率では日本が6割。社員285人のうち設計部門に40人もの社員を配置し、特注品のほか、標準品管理、新素材、油圧昇降、中長期開発など、役割ごとにチームを編成し、最近はインド人設計者の採用にも乗り出した。全社の平均年齢43歳という若さと相まって、職場には活気がみなぎるが、「採用活動を積極化して社内の多様性を高める。そのためにも社員に対するプライオリティを上げていく」(坂口社長)方針だ。すでに、 2022年に一律1万円、2023年は5%のベースアップを実施したほか、営業利益の1/3を決算賞与として社員に還元し、平均的な中小企業の賃金水準をかなり上回る金額を確保。さらに新卒社員には勤務地により家賃補助や通勤用車両の貸与など、社会に出てお金に困る事態にならないよう配慮するとともに、通信教育などの自己啓発サポート制度や福利厚生の充実にも注力している。
 新製品や特注品で成長を続ける既存事業に加え、7年前には犬用の靴や服をはじめとするペット用品のブランドを立ち上げ、順調に新事業を伸ばし始めたピカコーポレイション。「今後の成長はBtoCとEコマースがカギになる」(坂口社長)。〝雑工具〟に商機を見出せる経営感覚の持ち主に、将来に向けた死角はなさそうだ。
(左)生産現場(脚立組立)
(右)設計現場
人々の創造とひらめきで明るい未来をつくる会社

人々の創造とひらめきで明るい未来をつくる会社

代表取締役社長 坂口 泰生氏

 当社はアルミ製のはしごや脚立、オーダーメイドの作業台などを製造販売し、鉄道、宇宙、航空機、食品、薬品、ロジスティクスなど幅広い業界にソリューションを提供しています。目立つ製品ではありませんが、お客様が安全に快適に便利に使えるよう、改善と改革に力を注ぎ、様々な業界で信頼されるブランドとなりました。将来に向けて、アルミ以外の素材や油圧技術に挑戦しているほか、ペット用品の新規事業を立ち上げました。社名のPiCaは人々の創造とひらめきを表します。当社には、どんなに世の中が変わっても、モノづくりの中心は人であるという普遍的な考えがあります。当社には、とんがった人でも受け入れる土壌があります。PiCaは、多様な社員とともに多様なアイデアを出し合い、明るい未来に挑戦していける会社です。

会社DATA

所在地:大阪府東大阪市長田中4-4-10
創業:1957(昭和32)年3月
創立:1961(昭和36)年7月
代表者:坂口 守正(会長)、坂口 泰生(社長)
資本金:9,500万円
従業員数:285名(2023年11月現在)
事業内容:
・はしご、脚立、作業台等のアルミニウム合金製品製造・販売
・はしご、脚立等のFRP製品製造・販売
・昇降作業台、鋼製品及び鋼管、オーダーメイド製品製造・販売
・ペット共生製品製造・販売
URL:https://www.pica-corp.jp

RELATED