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洗練された技術開発力で、顧客ニーズに 応える濾紙や機能紙を提供する【安積濾紙株式会社】

キラリ、企業ハッケン!

2026.02.13

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・ニッチ領域で磨く抄紙技術―品質追求と技術開発で信頼を築く
・社員満足を原動力に、持続的成長を目指すグッドカンパニーへ
 安積濾紙株式会社は1919年の創業以来、多様な抄紙技術を駆使した濾紙や機能紙などの製品開発に特化し、主要な事業体制を確立してきた。多種多様なフィルター製品の開発及び供給で、自動車や家電関連など幅広い産業界の成長を支援。さらに近年ではコロナ禍で需要が高まる医療用資材分野へ参入し、人々の健康かつ安全な生活の確保に寄与している。

濾紙生産特化の先見性

 同社の創業は現社長、安積覚氏の曾祖父にあたる安積専三氏が大阪市西区に紙の卸問屋「安積洋紙店」を起ち上げたことに端を発する。その後、扱い品の中で特殊素材とされていた濾紙に着目。後継社長の安積四郎氏が1931年、自社製造を見据え「安積濾紙工業所」を設立。水量豊富な現在の所在地(大阪市東淀川区)へ生産拠点を移した。
 当初は和紙を作る手法で1枚1枚、手漉きで濾紙を製造し、電柱トランス内の濾過用途や製造業の生産工程の濾過から始まった。1959年に業態を「安積濾紙」に改組。自動車産業の発展とともに生産拡大基調を背景に、自動化による量産化へ踏みだした。
多様な液体のろ過・分離を支える高品質な濾紙

多様な液体のろ過・分離を支える高品質な濾紙

安積濾紙株式会社 会社紹介

生産体制の拡充を進める

 2004年、安積覚氏が5代目の社長に就任。入社後は当時の上海子会社へ赴任し海外情勢把握や幅広い経営能力を養った。事業展開では2012年に福井工場を開設。主に自動車用濾紙の樹脂加工生産体制の拡充を図った。さらに近年では同敷地にメディカル用途製品向けの生産事業拠点を増設し、新規分野への生産体制を確立している。
 その後、2014年には岐阜の製紙工場を取得し、抄紙機など既存の生産設備を生かした岐阜工場を起ち上げた。良質の水が得られる好条件のもと、幅広い用途に対応する濾紙製造拠点を構築した。
 現状、メーンの濾紙製造は大阪工場が担うが敷地拡大の余地は少ない。今後の事業拡大や増産対応を見据えれば岐阜工場がその一端を担う方向だ。そこで同社では約30億円を投資。岐阜工場に新たな抄紙機の導入を進め、2028年の本格稼働を目指している。安積社長は「新規設備導入で製品精度追求や特注品への開発対応が可能になる」と強調。さらに大阪工場との生産相互補完により、生産・納入拠点間のBCP対策を視野に入れている。
 同社の製品用途は自動車用各種フィルター品を中心に家電や半導体関連など産業資材全般に広がりを見せる。さらに昨今では国内生産品としての優位性を発揮し、体外検査キットや人工呼吸器に用いる加湿フィルターなど各種医療用資材での認知度を高めている。
 濾紙業界は専業メーカーが比較的少なく、用途や各社の販売施策で取引先市場や顧客層が棲み分けされている。同社では自動車分野で高性能品を中心に展開するなど、品質向上を追求する独自路線を踏襲している。さらに濾紙や機能紙の分野で小ロット多品種の抄紙技術開発にまい進、量的競合を避けた業容を確立している。
通気性と強度を両立した、高機能な樹脂加工紙

通気性と強度を両立した、高機能な樹脂加工紙

海外販売比率引き上げに着手

 同社の強みは「創業以来、紙業の中でもニッチな濾紙事業に特化し製品品質の向上にこだわり続けてきたこと」(安積社長)にある。長年蓄積された多様な抄紙技術が、他社に真似のできない優位性や専門性となり差別化を実現している。
 今後は多様な抄紙技術をどう生かすかが事業の発展を左右する。順序的には国内での受注実績を踏まえ海外展開の方向性を探る。国内需要は漸減する人口や少子高齢化から市場縮小傾向が否めず、新たな需要開拓には海外展開が不可欠となる。
 同社では世界中の国々に向け自社製品の供給実績を有する。ただインターネットを介した販売に留まり、取り組み次第では拡大の余地を残す。足元、期待される需要は自動車関連およびメディカル分野、さらに油処理用フィルターで実績のあるファーストフード向けの展開だ。今後は「代理店的な拠点を介し、全体売り上げに対する海外販売比率を現状の20%から60%まで引き上げたい」(同)としている。
 一方、今後の販売手法も検討課題に挙げる。「抄紙した母材を自社製品として末端顧客へ提供できれば、製品性能や価格面で競争力が強まる」(同)。品種によっては「素材の川上分野から最終製品の川下まで一貫した生産を機能化することで、ナンバーワンメーカーを目指す」(同)計画だ。
代表取締役社長 安積 覚氏

代表取締役社長 安積 覚氏

<経営理念>
● 我々は企業倫理を重んじ、常に謙虚に誠実にかつ公明正大に企業活動を行います。
● 我々は企業活動を通じ常に人間社会に役立てる商品作り、人間作りを目指すことによって
社会に貢献します。
● 我々は企業活動を通じ文化の伝承、維持、向上を図り、豊かな精神文化を育てます。
● 我々は人類の世界平和を願い、世界平和に貢献するための企業活動、技術を追究します。

会社DATA

創業:1919(大正8)年
設立:1959(昭和34)年
所在地:大阪市東淀川区小松4丁目2番15号
資本金:4,500万円
従業員数:184名
事業内容:自動車用エレメント、工業用フィルター、カートリッジフィルターなどの濾紙や
機能紙の開発・製造および販売
URL:https://www.azumi-filter.co.jp/

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