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金属スクリーンのスリット微細化で、 業容の拡大を目指す【東洋スクリーン工業株式会社】

キラリ、企業ハッケン!

2026.02.10

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・地球環境と社会の進歩発展に貢献し、「社会に必要な存在であり続ける」ことを企業理念として事業を展開
・ニッチな市場だが、技術力・開発力・提案力であらゆる産業分野に参入
 東洋スクリーン工業株式会社は分離、分級、濃縮、脱水といったスクリーン技術を得意にする企業。現在は、網目のスリット(すき間)幅が5マイクロメートルという世界最高レベルの微細目金属製スクリーン「ファインウエッジ®」の用途開発で、業容拡大を目指す。2026年末には新本社・工場も完成する予定で、ニッチトップ戦略をさらに加速させる考えだ。

スリット幅の微細化で高精度の分離・分級を実現

 創業は1954年11月で、振動ふるい機用金網製造業者としてスタートした。当時は鉄板に直径数センチメートルのパンチ穴をあけたプレートや、太い伸線を編んだ金網を採掘場や製鉄メーカーなどに納入していたが、需要は減少。その中で1980年2月に「溶接式ウエッジワイヤースクリーン」を本格的に市場投入したことで、転機を迎える。これは、逆三角形断面形状の細いワイヤー線を独自の機械と技術力で等間隔に並べスリット幅を形成したスクリーンのことで幅は100マイクロメートル以上。100マイクロメートル以下をファインウェッジ®と呼称。強度が高く、液体と固体などを高精度に分離・分級することができる。従来とは異なる産業分野への進出を実現するほか、これを用いた機器や装置などの企画・製造・販売にも注力し、現在に至っている。

産業機械、化学、食品、環境など幅広い分野に製品を納入

 2025年3月には微細目固体分離スクリーン「ファインアーク-60」が日本産業機械工業会 中小企業庁長官賞を受賞した。これは最小20マイクロメートルまでの固液分離が可能で微細な固形物の回収、異物の除去、濃縮・分級といった工程で威力を発揮する。遠心分離機などに比べて消費電力の低減、節水、メンテナンス作業の軽減などのメリットを持ち、産業機械、化学、半導体、環境、食品、医薬・化粧品、土木・建築、水産・漁業など国内外の幅広い分野で納入実績をあげている。このほどスリット5マイクロメートルのファインウエッジ®を搭載した「ファインジェクター」も市場投入。シリコンやアルミナといった脆性材を研削した際に発生する汚濁物質(スラッジ)のろ過・脱水に有効で、自動車・半導体市場の開拓に力を入れている。
日本産業機械工業会 中小企業庁長官賞を受賞

日本産業機械工業会 中小企業庁長官賞を受賞

ファインジェクター

ファインジェクター

顧客からの要望にきめ細かく対応

 「競合は国内で3社。世界で10社程度だが、5マイクロメートル技術は当社だけ」(廣濱毅憲社長)と技術力に絶対の自信を見せる。また、ほとんどが一品一様の製品ばかりで、内製化率は90%以上に及ぶ。顧客からの要望や持ち込まれる技術的課題にきめ細かく対応しているのも強みで、「この3年間で売上高も30%以上向上した」(同)という。スクリーンはステンレス製がメインだが、軽量・高強度で航空機分野などに使われるチタン、耐酸性・耐熱性に優れ、海洋・原子力など過酷な環境下で使用されるハステロイなど特殊素材にも対応する。現在の売り上げ構成はスクリーン部品30%、装置関係45%、振動ふるい機用金網など25%という割合になっている。

経営の見える化で、企業風土を改革

 廣濱社長は3代目で、2015年の社長就任以来、旧態依然とした企業風土の改革を図るため、職場の問題点などを徹底的に洗い出してきた。また、それらの課題に対応するため、大手機械商社やメーカーから人材を確保するなど中途採用も積極的に行う。最近では、地元の地銀から出向行員を受け入れた。これは定年を迎えた総務部長の後任が育っていない現状から断行したもので、銀行側の「おもしろい人材育成制度」と合致した。そして3年間かけて本社・工場の移転問題、資金調達、採用活動の強化、評価・賃金制度の見直し、バックオフィスの業務効率化などに取り組んできた。経営数字、人事評価、給与体系などの見える化も実現し、会社の向かう方向性を全社員で共有できるようにした。戦略室を設けて組織体制を強化するほか、社員に対しては研修制度の充実も図った。生産性の向上、職場環境改善、デジタル化の推進などを目的に奈良県内に約5,000坪の土地を確保。2026年末の完成予定で、新本社・工場を建設する。「分散している工場の効率化を図ると同時に“見せる工場”にすることで会社の認知度も高めていきたい」(同)と意気込む。
代表取締役 廣濱 毅憲氏

代表取締役 廣濱 毅憲氏

〈企業理念〉
地球環境と社会の進歩発展に貢献し、「社会に必要な存在であり続ける」こと
〈経営理念〉
従業員一人ひとりが昨日より今日、今日より明日、「喜びを感じながら成長し続ける」こと

会社DATA

創業:1954(昭和29)年11月4日
所在地:奈良県生駒郡斑鳩町幸前2丁目10番6号
資本金:2,000万円
従業員数:95名(役員・パート除く)
事業内容:分離、分級、濃縮、脱水に関する部品及び機器・装置の製造・販売、
環境保全のための機器・装置等の企画、製造、販売
URL:https://www.toyoscreen.co.jp

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