・「創意と調和」の理念を尊重し、社員が同じ方向に向かって社業に取り組む
・人に優しく社会に優しい企業であり、地球環境保全への貢献を意識したモノづくりを実行する
イソライト工業株式会社は、耐火断熱れんがや高温断熱ウールといった多様な高温用耐火断熱材の製造及び販売を手掛ける。中でも工業炉向けなど1,000℃を超える超高温下での有効な断熱手法として、セラミック多孔質化技術を駆使した製品研究や開発を推進。鉄鋼や工業炉、石油化学、窯業など広く熱に関連する産業界の省エネルギー化に貢献している。一方、サステナビリティの観点から人と地球に優しい製品づくりにまい進し、持続可能な社会作りに尽力している。
社会や市場ニーズに応え進化する
イソライト工業は1927年、大阪で創業した。京都帝国大学(現・京都大学)の吉岡藤作教授と日本板硝子出身の森源之助氏が、能登半島の石川県七尾市で産出される「珪藻土」の耐火断熱特性に着目。珪藻土を用いた製品開発を模索した結果、家庭用七輪の自社生産で業容を確立した。
また新たな用途開発として断熱れんがの製造に着手。鉱工業の発展とともに窯業関連での納入実績を広げていった。その後は熱産業市場で高まる断熱ニーズの高温化に対応。1962年には米国企業の技術導入を受け、断熱性を向上させた最高品質の耐火断熱れんがの量産化に成功する。
さらに1967年にはセラミックスを繊維状にしたセラミックファイバーの国内生産を開始。当初、販売していたリフラクトリーセラミックファイバー(RCF)の耐熱上限温度は1,500℃程度であったが、のちに新素材を採用して開発したアルミナファイバー(PCW)は1,700℃まで耐熱性を上げることができ、高まる市場のニーズに応えた。
セラミックファイバーは熱放出の抑制を目的に用途拡大が進んでいる。一例では半導体製造用の拡散炉やリチウムイオンバッテリーの組み込み材料などに展開。住宅関連では防火を目的に壁材などへの採用が見込まれている。
一方、市場でファイバー製品の使用頻度が高まる中、特定化学物質障害予防規則の改正によりRCF製品の取り扱いについて注意事項が付加された。同社では人体への影響が少ないファイバー開発を進めた結果、生体内低残存性のアルカリアースシリケートウール(AES)の開発に成功。用途別での使い分けを促し採用域を広げている。
グループ企業間の連携力が強み
金重利彦社長は断熱市場において「耐火断熱れんがや3種のセラミックファイバー製品すべてを手がけているのは当社だけ」と販促の優位性を強調する。多様な工業炉の構築に際し、一括した設計提案や現場でのエンジニアリング機能で応えることで、顧客への信頼性やコスト面での差別化を図っている。
さらに同社の強みは親会社の品川リフラを含む内外のグループ企業間で連携した販売力。いち早く同社が展開した海外事業では東南アジア圏を中心にエネルギーコストの削減などを実践。国内とともに効率的な製品別生産体制が確立されている。
製品開発にあたっては企業間協力や産学連携も前向きに行い推進している。新たな製品創出のための研究開発費は年間売上額の2~3%程度を拠出する計画で進行。今後、開発の核となるのは「低熱伝導性の向上を追求したモノづくり」。一般的に熱の放散速度を遅らせ断熱性を高めれば耐熱温度が劣る傾向。これを同様に1,400~1,500℃まで耐熱温度を引き上げるには構造体の中に極小の気泡を封じ込めた成形材料の開発が肝になる。
2025年には人事制度の改定に踏み切り、待遇の改善、キャリアの複線化、リスキリングの支援の拡充等を実現した。また、DX化の一環として生産・技術部門から営業、バックオフィスにいたるまでの各職場で、社員それぞれによる業務の可視化プロジェクトを進めており、可視化作業を起点に現在の問題点の洗い出し、業務の標準化、最適化、ひいては業績向上につなげていく考えだ。
イソライト工業では2030年度の売上高を2024年度比2倍以上に引き上げる計画を進行中。現状では売上比率が国内60%で海外向けが40%で推移している。今後は国内売り上げを伸ばしながら、親会社や国内外のグループ企業との連携を深め海外販売を3倍に伸ばし「海外売上比率を60%まで引き上げる」(同)考え。世界屈指の総合断熱材メーカーとして、顧客の省エネ指向や低・脱炭素ニーズに応え自社の成長につなげていく。
会社DATA
設立:1927(昭和2)年11月25日
所在地:大阪市北区中之島3丁目3番23号
資本金:31億9,650万円
従業員数:349名(2025年3月末現在)
事業内容:耐火断熱れんがや高温断熱ウールなどの製造・販売
URL:https://www.isolite.co.jp
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