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半導体製造に欠かせない高精度な環境制御装置で国内有数のメーカー ―温度は±0.002℃で安定、空気清浄度は微粒子レベルを管理するクラス1【株式会社ラスコ】

キラリ、企業ハッケン!

2026.03.31

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・2023年に新社屋竣工、2024年にグッドカンパニー大賞の優秀企業賞受賞
・CO₂排出ゼロ工場実現、年間休日は中小企業トップクラスの123日
 世界の半導体市場はデータセンター、人工知能(AI)、電気自動車(EV)、自動運転などが牽引し、2025年に2ケタ成長(約105兆円)が見込まれ、2032年までに年平均成長率15%で推移、310兆円規模に達すると予測されている。ラスコは半導体製造に欠かせない高精度な環境制御装置(チャンバーと呼ばれる容器や空調機など)で国内有数の技術力を誇り、半導体市場の成長を支える有力企業だ。ナノクラスの微細加工が求められる半導体製造プロセスにおいて、±0.002℃の温度安定や、微粒子レベルまで管理するクラス1の空気清浄技術などを提供している。顧客のニーズに合わせた特注対応を強みとしており、売上高は全量がオーダーメード生産で100億円を超える。取引先の9割は国内ながら、取引先の海外工場などで数多く使われ、実際に使われているのは海外が9割を占める。近年ではシリコンウエハーを半導体チップに切り分けて製品化する「後工程」や医療分野にも力を注ぎ、より一層の業績拡大を図っている。
検査器具を複数を使い、品質基準を満たしているかの確認

検査器具を複数を使い、品質基準を満たしているかの確認

“かたちにしていく力”の日々向上が全社員に浸透

 ラスコの設立は1964年。社名は昭和冷機だった。冷凍・冷蔵設備工事に強みを持っていたものの、メーカーが自ら手掛けるようになったため1980年に埼玉県戸田市に埼玉工場を開設し、半導体製造装置関連事業に参入した。マイクロソフトのWindowsが登場したのが1985年だったから、半導体の市場拡大を見越して、いち早く参入したことになる。1991年には社名をラスコに変更した。ラスコの社名はRefrigreation(冷蔵・冷凍・冷却)、Air-conditoning(空気調和)、Sterilization(滅菌)、Clean(清潔)、Offer(提供)の頭文字で、「当時の工場長の娘さんの案が採用された」(堀野社長)という。携帯電話の普及が進んだ2000年前後に業績を伸ばし、2002年に本社を現在の加須市に移転した。「(2008年の)リーマンショックの時は大変だった」(堀野社長)と言うが、盛り返し、創立60周年の2024年には第58回グッドカンパニー大賞(中小企業研究センター主催)の優秀企業賞を受賞した。3代目の堀野社長は2022年10月に就任、翌年には新社屋を竣工している。工場、社屋の屋上には太陽光パネルを設置し、自然エネルギーを利用したグリーン電力と併せて二酸化炭素(CO₂)排出ゼロ工場での操業をほぼ達成している。
 創業以来、大事にしてきたのは「“かたちにしていく力”を日々向上させること」(堀野社長)。ラスコは超精密空調技術、空気清浄技術、静音技術、助け合う仲間の4つのチカラで半導体製造をサポートしている。堀野社長は「社会やお客様の要求、価値観に応えて貢献し続けていくには“かたちにしていく力”が欠かせない」と折に触れて強調している。
品質と安全に配慮し、社員の手により慎重に組み立て作業を行う

品質と安全に配慮し、社員の手により慎重に組み立て作業を行う

半導体の後工程、医療分野などの新規案件受注に注力

 ラスコの2025年9月期売上高は109億1,400万円。EVや自動運転への移行スピードが減速した影響から、前年度に比べ若干の減収だった。堀野社長は「シリコンウエハー上に回路を作り込む半導体の前工程は市況に左右されやすい。そのため、3年ほど前から後工程の新規案件受注に動いている。また、当社が持つ技術を医療分野など半導体以外に活用できないかどうかを探っている」と次の仕掛けに余念がない。一方、海外では韓国セルトロン社(京畿道華城市)に続き、「連絡事務所がある中国、台湾でも協力会社が現地組み立てを行う方向で動いている」(堀野社長)と、海外売り上げ拡大の布石を打つ。
 福利厚生にも力を注いでいる。ラスコは2024年からプロ野球独立リーグ「埼玉武蔵ヒートベアーズ」の冠スポンサーとなり、社員にはベアーズ戦の無料観戦チケットが支給される。また、地域貢献として小・中学生向けにベアーズ野球教室を年10回開催している。社員旅行は2019年に、会社負担で台湾へ行った。堀野社長は「創立65周年の2029年にも社員旅行を実施したい」と言う。
 100年企業に向けて、社員の満足度向上や、新卒採用も重視している。年間休日は123日と中小企業ではトップクラスで、1年間の3分の1は休日となっている。就業時間は夜勤なしの7.5時間で、育児休業、介護休暇はもちろん、お子さんの看護休暇もある。新卒採用は「毎年、高卒4人、専門・大学は1~2人。」理系出身者は設計や開発などの専門的な分野で活躍している。
液体・気体の流れを予測し、環境制御装置の気流を可視化した図

液体・気体の流れを予測し、環境制御装置の気流を可視化した図

《わが社を語る》

創造的な技術で豊かな未来に貢献したい

創造的な技術で豊かな未来に貢献したい

代表取締役 堀野 賢一氏

 当社はお客様の希望・想像を具体的にかたちにしていくことで、信頼関係を築いてきました。近年は、得意技術とする温湿度制御に磨きをかけ、地球環境に配慮したモノづくりを展開しています。創造的な技術によって、豊かな未来に貢献できる企業でありたいと思います。半導体製造は多くの電力を消費します。機械の駆動や冷媒圧縮などに使われるコンプレッサーをエネルギーレスに変えて、ガスの発生減と電気料金低減を両立できないか、といったことを考えています。夢をかたちにするには熱い思いを共有する仲間が必要です。好奇心、分析力、共創力のある方を求めています。一緒に豊かな未来を築きましょう。

会社DATA

創業:1964(昭和39)年10月
所在地:本社>埼玉県加須市北平野807番地2
拠点:本社工場
売上高:109億1,400万円(2025年9月期)
従業員数:288名(2025年1月1日現在)
事業内容:半導体製造に欠かせない高精度な環境制御装置(チャンバーと呼ばれる容器や空調機など)を製造・販売
https://www.rasco.co.jp/

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