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日本に本社を置くグローバル企業として世界の医療に貢献する100年企業【テルモ株式会社】

キラリ、企業ハッケン!

2023.05.25

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 テルモ株式会社は、医療機関向けのカテーテルや人工心肺装置などの医療機器や点滴などの汎用医療機器や薬剤投与システム、また細胞治療関連製品などを世界に供給する。創業は1921年で、今年創立102年目を迎える。2022年3月期の連結売上高は7,033億円と過去最高を達成している。地域別の売上高比率は日本29%、米州31%、欧州20%、中国8%、アジア他11%と、海外が71%を占める。生産拠点は日本国内7、海外26、研究開発拠点も日本国内6、海外16。さらにグループで28,294名の社員のうち約8割が海外というまさにグローバル企業だ。
 体温計や血圧計といった製品では一般消費者にも知名度は浸透しているものの、売り上げの9割以上は医療機関や製薬会社向けのBtoB型事業だ。2020年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的パンデミックの中でも、混乱する医療現場を製品、技術で支え、人々の命を救い、成長を継続している。

TERUMO’s Purpose「医療の進化」と「患者さんのQOL向上」への貢献

TERUMO’s Purpose「医療の進化」と「患者さんのQOL向上」への貢献

次の100年に向け、持続的成長を継続し医療の進化に対応

●医療従事者、患者双方の信頼に応える5 万点の製品群で世界の人々に貢献
●心臓血管、メディカルケアソリューションズ、血液・細胞テクノロジーの3 領域が強み

相次ぐ新製品投入でコロナ 禍の治療現場に対応

 テルモには大きく分けて3つの事業領域がある。「心臓血管」「メディカルケアソリューションズ」「血液・細胞テクノロジー」だ。過去3年間に及んだコロナ禍で、一部の手術の先送りなどが医療現場では発生し、「心臓血管」分野は売り上げ減を余儀なくされた。しかし、病棟向け汎用製品などの「メディカルケアソリューションズ」分野は売り上げ増となり、「血液・細胞テクノロジー」分野も成長し、3領域があることにより企業全体としての成長は鈍化することなく拡大を続けた。
 薬液残りを極限まで減らした注射器「針植え込み型注射器」は、コロナワクチン接種の現場に浸透し、「体外式膜型人工肺(ECMO)」について従来の2倍となる年間200台の増産体制を敷き、併せて取扱者のスキルトレーニングに対応。紫外線照射ロボットなど院内の感染対策につながる機器も投入。さらに、米国ではコロナから回復した人の血液中の抗体を含む「回復期血漿」を治療に役立てるための血液成分分離装置が緊急承認され、治療に貢献。体温計についてもケースも消毒しやすいものを発売するなど、医療現場の非常時に対応した製品を投入し続けた。
 同社では2022年度からの5か年成長戦略「GS26」を展開中だ。デバイスからソリューションへというビジョンを掲げ、1つ1つの機器を提供するだけではなく、医療機関や患者さんが抱える課題を総合的にサポートする企業を目指している。コロナ禍が収まりつつある現在、あらためてGS26に向けて、ソリューションを創造できる人財や社内のDX化を推進する人財が必要になっている。企業理念に共感する強い志を持ち、自ら提案し課題を乗り越える気概のある『人財』を求めている」と、人財開発室副室長 兼 採用チームリーダーの廣瀬美緒氏は強調する。
コロナ重症患者の「最後の砦」ともい われるECMO(体外式膜型⼈⼯肺)

コロナ重症患者の「最後の砦」ともい われるECMO(体外式膜型⼈⼯肺)

年功序列ではない活力ある 職場へ

 医療機関向けの業務が多くを占めるとはいえ、入社時から医療の知識がある人は多くないそうだ。「入社後のキャリア形成は十人十色」(同)。最初は本人の希望の職種を重視して配属先を決めるが、その分野で専門性を極める人もいれば経験をベースに異なるキャリアへと異動する人もいるという。特に2022年4月から導入された新人事制度では、給与体系を含め30年ぶりに大幅に見直した。例えば「キャリアチャレンジ制度」では、他部署・部門への異動や課長職以上のポジションへの希望者を若手も含めて公募するなどの新しい制度を取り入れ、年功序列ではない一段と活性化された職場へと変わり始めている。
 キャリアを磨くうえで欠かせない専門研修も多彩。例えばMBA取得や異業種交流、グローバル研修など選抜式の研修を用意する。一方で、休暇取得を推進し、2021年度の有給休暇消化率は67.1%。加えて「男性の育休取得率は6割、女性の育児休業明けの復職率は100%であり、復職のためのセミナーなどを通じて職場復帰がソフトランディングできるような体制を整えている」(同)。グローバル企業として、気概と根性のある人財とともに、今後も世界の医療に貢献していくことだろう。
(左)デッドボリュームを極限まで減らし、無駄なくワクチン接種を可能にした針植込み型注射針
(右)院内の感染対策にも寄与

≪わが社を語る≫

固定思考を克服し、成長思考を醸成

固定思考を克服し、成長思考を醸成

代表取締役社長CEO 佐藤 慎次郎氏

 テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という不変の企業理念のもと、それぞれの時代に社会が求める課題と真正面から向き合い、患者さんや医療従事者の方々の信頼に応えてきました。
 医療は今、大きな変化の途中にあります。私たちは医療現場で培った確かな品質とテクノロジーの力で、これからも医療の進化に挑戦します。当社は、こうしたチャレンジを実現するため、アソシエイトの成長を支える具体的な活動を始めました。挑戦する前から限界や制約を受け入れてしまうFixed Mindset(固定思考)を克服し、アソシエイトが新しいことに挑戦するGrowth Mindset(成長思考)を醸成して、テルモの文化に育てていこうという試みです。企業の成長を支えるのは人財なのです。

■会社データ

所在地:東京都渋谷区幡ヶ谷2-44-1
創業:1921(大正10)年9月
代表者:佐藤 慎次郎
従業員数:28,294名(グループ)
資本金:387億円(東証プライム上場)
事業内容:医療機器・医薬品の製造販売
https://www.terumo.co.jp/

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