人に優しく環境も守るスーパーアルカリイオン水で困り事を解決【株式会社Eプラン】

　松澤社長は同社を設立する前、洗車機・洗浄機メーカーに勤めていた。1997年12月、温室効果ガス削減に向けた国際的な枠組みである京都議定書が採択されたのを機に、「地球環境問題の解決に貢献したい。水でできないか」と考えた。「旭硝子（現AGC）の人たちに教えていただき、試行錯誤しながらSAIWが完成に近づいたとき、これを進めるには独立するしかない」と判断し、2003年11月、定年を前にした57歳の時に、当時の同僚4人と設立したのがEプランだ。　
　「最初は知名度もなく、大変だった」が、環境クリーニング機器販売の上場企業からショップチャンネルを紹介され、販売に弾みがついた。それ以降、洗浄機などを開発し、製品を増やしていった。その上場企業はいま、SAIW生成装置を年に約1000台販売する主力取引先となっている。
　洗浄力が強いうえ、酸を出さず錆びないことから、大手自動車メーカーの各工場に採用された。次亜塩素酸水も除菌力、消臭力を持つ点は同じだが、SAIWは酸化を抑え、鮮度を長持ちさせる効果がある。そのため、大手コンビニチェーンが総菜や野菜の洗浄向けに採用した。大手外食チェーンでも首都圏店舗で採用が拡大している。
　Eプランは22年、一般社団法人日本電解水協会の正会員となり、公的活動を強化している。工業大学とは金属の防錆で、国立大学とは農業関係の成育・病害虫の除菌でそれぞれ産学協同研究を進めている。

　Eプランは22年5月に子会社のEプランリテールを設立し、家庭への本格普及に乗り出した。水質汚染の原因となる合成洗剤の使用量を減らすとともに、手荒れ、オムツかぶれ、アトピー性皮膚炎、頭皮障害などの悩みを解決に導くためだ。そのために家庭用のSAIW生成機や無添加系石鹸を配合した「泡のe-WASH」を開発。生成機を持っている人が毎月定額、定量で周りの人に提供するサブスクリプションサービス「LaFuente Club」によって、生成機を持つ人は費用を補填でき、購入する人は安価に入手できる体制の構築を始めた。
　Eプラン独自のSAIW（pH12.5）は「細菌や微生物は生存できない濃度でありながら、肌荒れしない」（松澤社長）。口に入っても問題はないし、10倍に薄めれば、うがいやマウスウオッシュもできる。しかも、換気扇などの油汚れは界面浸透、乳化・分離、剥離・分散の作用により分解・洗浄できるし、衣類の洗濯は洗剤なしでできるうえ、洗濯槽の除菌までできる。顔回りや全身のケア、靴の消臭、ペットのシャンプー、ブラッシング、ペット用品の除菌・消臭など用途は幅広い。
　Eプランでは「水の勉強会」を常時開いて、社員の知識を高めている。全社員を対象に半年に一度は会社負担で会食を行っているほか、女子会なども行っている。出社・退社時間は柔軟に運用し、育休制度もある。22年6月には松澤社長の子息の松澤竜輔氏が専務に就任し、「次の世代に引き継ぐ」体制も整えた。「人の健康と地球環境を守るための新しい洗浄水を多くの方に使っていただきたい」という松澤社長の思いを全社員が共有し、自社の商品に絶対的な自信を持っていることが明るく楽しい社風を生み出している。