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世界のプラント設備を支える「タンクの石井」~新エネ貯蔵技術でカーボンニュートラル社会を実現【株式会社 石井鐵工所】

キラリ、企業ハッケン!

2025.07.10

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 石井鐵工所の歴史は今から125年前、西暦1900年に創業者である石井太吉が東京月島でボイラーや貯槽などの製作を開始したことに始まる。以来、わが国産業の発展とともに、エネルギー資源や石油化学資源を安全に貯めるタンク・プラントメーカーとして、日本でも世界でも確固たる地位を築いてきた。今、地球温暖化が大きな問題となり、カーボンニュートラル社会への移行を進める中で、水素や燃料アンモニア用の低温タンクなど新しいエネルギーインフラが求められている。次の世代の『タンクの石井』を支える若手社員に「石井鐵工所のシゴト」を聞いた。

現在のエネルギー供給における「貯蔵」分野を担う同社。GX時代への投資も抜かりない。

現在のエネルギー供給における「貯蔵」分野を担う同社。GX時代への投資も抜かりない。

左上:液化炭酸ガス球形タンク、右上:LNGタンク、左下:耐津波構造タンク、右下:低温タンクターミナル

 石井鐵工所は資本金18億9200万円、創業の地・月島の本社と「モノづくり」のまち東京・大田区の羽田事業所を中心に海外にもネットワークを展開し、170人の社員が世界のプラント設備を手がけている。顧客は石油・化学・鉄鋼・電力・ガスなど基幹産業を支える世界の有力企業だ。船から下ろした資源を受け取る低温タンクターミナルに始まり、LNGタンク、球形タンク、耐津波構造タンクなど、さまざまな貯蔵設備の製造に高度な技術とノウハウを蓄積し、「技術をもって社会に貢献する」ことを目指している。
今回インタビューに応じてくださった、門村さん・安福さん・金居さん(左から)

今回インタビューに応じてくださった、門村さん・安福さん・金居さん(左から)

 今回お話をうかがったのは、鉄構事業本部 GX事業部 工務担当・門村 直輝さん(2020年4月入社)、設計担当・金居 洋平さん(同)、品質保証部・安福 紗英さん(2022年4月入社)の3人。それぞれ持ち場は違うが羽田事業所に勤め、門村さんと金居さんは同期入社、門村さんと安福さんは同じ大学の先輩後輩という間柄だ。

学生時代から新エネ関連の研究・大きな「モノづくり」に興味

リケイ まず学生時代のお話から。門村さんと安福さんが日本大学、金居さんは青山学院大学で皆さん理系です。理系を選んだのはなぜですか?
門村 数学とか理科とか理系の科目が得意でした。
金居 私も数学や物理が得意だったので、理系を選びました。また、文系より理系の方が就職先の選択肢が広がると思ったのも理由の一つです。
安福 高校時代は暗記が苦手で、それなら数学のように理論を理解すればいいと思いました。
リケイ すごいですね。大学でマネジメント工学を専攻され、大学院でRBM(リスク分析に基づくメンテナンス)を研究されたそうですね。
品質保証部・安福 紗英さん。暗記が苦手だったことが理系の道を開く。

品質保証部・安福 紗英さん。暗記が苦手だったことが理系の道を開く。

安福 風力発電の施設運用にRBMを導入する研究で、「どの部分が一番事故を起こしやすく被害はどれくらいなのか」を数字で表します。国の研究機関が公開していた3700件の実際の故障・事故のデータを収集し全てエクセルにまとめ、指標を平均して事故の起きる頻度を計算しました。指導いただいた先生は論文の書き方にも厳しく、大変でした。
リケイ 門村さんは同じ日大ですが機械工学科で「バイオ燃料を用いたディーゼルエンジンの研究」ですか。
門村 機械工学科でしたが、エンジンではなく燃料の作り方の研究でした。ココナッツオイルにエタノールを混ぜるのですが、その比率や攪拌する時間を無数のパターンで試します。地道な作業でしたけど、良いバイオ燃料ができた時には達成感がありましたね。
GX事業部工務担当・門村 直輝さん。学生時代はバイオ燃料の研究ひとすじ。

GX事業部工務担当・門村 直輝さん。学生時代はバイオ燃料の研究ひとすじ。

リケイ 石井鐵工所は地球温暖化対策の中で環境に配慮した新エネルギー関連のインフラ開発を目指しています。風力発電やバイオ燃料を研究したお二人は、これからの石井鐵工所に必要な人材だったのでしょうね。
金居さんは青学の理工学部で「電子基板に用いる材料の線膨張係数」について研究されたそうですね。石井鐵工所が作る巨大なタンクと関連が薄い気がしますが。
金居 電子基板を構成する材料の線膨張係数を同定する研究で、電子機器の小型化及び複雑化が進む中、熱変形を従来よりも高精度に予測できるようになることを目指していました。研究テーマは電子基板という小型材料を対象としていましたが、もともと大きな「モノづくり」に興味がありました。
GX事業部設計担当・金居 洋平さん。「海外でプラントの仕事」という夢を入社1年目で実現。

GX事業部設計担当・金居 洋平さん。「海外でプラントの仕事」という夢を入社1年目で実現。

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