・創業以来、人重視の経営を実践すると同時に、得意先・仕入先との信頼関係を構築し、
共存共栄を図る
・時代の変化や景気動向をすばやくキャッチし、他分野への進出など積極的に挑戦
英和株式会社は計測制御機器と産業機械の技術総合商社。得意先は5,000社を超え、“困った時の英和さん”として存在感を発揮する。現場密着の課題解決型提案営業で既存顧客への深耕を進める一方で、成長分野として①生産設備の自動化などを目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)②環境負荷低減に貢献するGX(グリーントランスフォーメーション)③防災・減災、国土強靭化といった社会インフラの3分野を重点領域に掲げ、営業活動に拍車をかけている。
造船不況を境に得意先の多様化を推進
創業は1947年。航海計器や発動機部品の卸売りでスタートした。1956年には自社製品の製造を目的に双葉製作所(現・双葉テック)を設立。“造船業は日本のお家芸”とも言われた高度経済成長の波に乗り、業績を伸ばす。しかし、1970年代の世界的な造船不況に直面。これを契機に石油化学、社会インフラなど他分野への進出を図る。またBtoBを中心とした顧客密着型の直販体制も構築。現在に繋がる強固な事業基盤を築いてきた。認知度を高めるために1989年、大証2部に上場。2003年には三井物産マシナリー(現・三井物産マシンテック)から路面清掃車など特殊車両の事業を譲り受け、官公庁向けに販売を開始する。中国や台湾にも拠点を設け、海外市場の開拓も進めている。
得意先ニーズの変化に合わせ 「コト売り」商社へ転換
全国に37カ所の営業拠点を持つ。子会社に油圧ユニットや計測制御ユニットなどを製造する双葉テック(大阪府堺市)を持ち、技術総合商社として独自のポジションを確立する。仕入先数は約3,500社以上。独立系なので、系列にとらわれない商品調達や自由な商品提案を実践しているのが持ち味だ。
取扱商品は工業用計測制御機器、環境計測・分析機器、測定・検査機器、産業機械の大きく4つに分類されるが、得意先は建設・プラント、産業用装置・重電設備、製造用機械・電気機器、化学、造船など広範に及ぶ。「アイテム数では1万を優に超えている」(阿部吉典社長)という。大手企業の固定客が多く、官公庁に強いのも特徴で、「得意先のニーズを理解し、最適なシステム・商品・サービスをワンストップで提供できる提案力で、単なる“モノ売り”ではない、課題解決や要望を実現する“コト売り”に営業手法をシフトし、実績を積み重ねてきた」(同)と自信をみせる。
DX、GX、社会インフラ分野に注力
現在、力を入れているのはDX、GX、社会インフラの3分野で、具体的にDXでは「現場帳票のスマート化」、「在庫・原材料管理」、「遠隔業務支援システム」などに注力。またGXでは、バイオマス発電の原料として有効な木粉製造装置や、リサイクル処理時に発生する火災の初期消火システムの販売に注力する。初期消火システムは熱画像センサーや炎検知装置などで構成されているが、リチウムイオン電池の発火火災問題から、電池選別機の導入も併せて提案中。そのほか、カーボンニュートラル関連として、脱炭素・水素関連の研究開発を支援するソリューションの提案。装置の納入から立ち上げまでをワンストップで提供する。社会インフラ分野では、路面清掃車、凍結防止剤散布車、降雨体験車、超高圧水発生装置を搭載した橋梁床補修工事車両の販売など、品揃えは豊富だ。
基盤強化と人重視の経営を継続
得意先が広範なため、景気に左右されない経営体質だが、経営基盤を強化するために過去には企業2社を子会社化してきた歴史がある。茨城大学発ベンチャーのエフシー開発(茨城県日立市)にも出資。固体高分子形燃料電池や電解セルなどを手がけており、総販売元として名を連ねる。「チャンスがあれば、M&Aやスタートアップ企業への出資なども行っていきたい」(同)という。そして最も重視しているのが“人”の面で、創業以来の経営理念に基づいて人材育成にも力を入れてきた。しかし、昨今の採用難から、「採用」と「人材開発」を担う独立専門部署を設けて体制を強化した。多様化する要望に対応するため、組織やエリアに関係なく、横軸で技術や市場の情報・ノウハウを共有できる仕組みは構築済みだが、今後は社内DXの強化などでそれに磨きをかける考えだ。
会社DATA
創業:1947(昭和22)年6月15日
設立:1948(昭和23)年6月29日
所在地:大阪市西区北堀江4丁目1番7号
資本金:15億3,340万円(東証スタンダード上場)
従業員数:476名(連結)
事業内容:工業用計測制御機器、環境計測・分析機器、測定・検査機器、産業機械の販売など
URL:https://www.eiwa-net.co.jp
事業は人なり、人は和なりを原点として、事業を通じ会社の繁栄、社員の福祉、株主の利益、取引先との共存共栄の維持向上を図りつつ社会に奉仕貢献すること