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環境保全と医療に貢献する総合計測機器メーカー【東亜ディーケーケー株式会社】

キラリ、企業ハッケン!

2023.05.31

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 物質に生じる電気化学の反応量を検出する電気化学センサをコア技術に、環境計測から科学分析、医療など幅広い分野で活躍している計測機器メーカーが、東亜ディーケーケー(東亜DKK)株式会社である。pH計は国内の清掃工場の排水水質測定器で半分以上、PM2.5測定装置などの環境用大気測定装置は国内シェア約6割、人工透析に使われる薬剤溶解装置は市場シェア7割(OEM含む)を獲得するなど、研究開発型企業として数々の独自製品を生み出してきた。製品は道、電力、医療などライフラインを支える施設で使われており、取引先は官公庁をはじめ、幅広い業種の企業にわたる。環境保全と医療という世界共通の重要テーマに挑み続ける総合計測機器メーカーである。

「産業のマザーツール」官公庁とあらゆる工場がお客さま

●pH計やPM2.5測定装置、透析用薬剤溶解装置などで国内トップシェア
●各国の法規制に対応した計測機器を海外37か国に販売

環境から医療まで領域を拡大

 2000年10月、東亜電波工業株式会社(TOA)と電気化学計器株式会社(DKK)という二つの計測機器メーカーが合併し、東亜DKKが誕生した。2024年10月には創業80周年を迎える。創業間もない1954年に、のちのベストセラーとなる卓上型pH計(2014年「分析機器・科学機器遺産」に認定)を発売したほか、63年には日本初の大気中NOx 計を開発して大気分析機器分野に参入、70年には日本初の河川水質監視装置を開発するなど、独自のセンサ技術による製品開発が特長だ。さらに1979年には臨床検査機器の発売で生化学・医療関連機器分野への参入を果たした。そして合併後の2005年には水質分析計の世界トップブランドメーカーである米国ハック社と資本業務提携を締結し、2018年にはメタウォーター株式会社より水道用水質計事業を譲受するなど、事業基盤を強化させている。
 最大の強みは、水、大気、医療、ガスの4つの分野で、卓上機器からフィールド機器まで多様な計測機器を提供している総合メーカーとしての力と、開発、製造、販売からアフターサービスまで含めた一貫体制。特に目立つのが補修部品や保守・修理等アフタービジネスの売上比率。売上高全体の半分近くを占めており、機器販売だけでなく全国10カ所の営業拠点とサービス子会社によるきめ細かい顧客対応が、同社の収益安定化に大きく貢献していると言える。最近は、IoTを用いた遠隔監視、リモートメンテナンスが可能な水質計を拡販するなどアフタービジネスの拡大に注力している。そして成長分野として位置づけているのが医療分野。透析治療に関わる機器で実績を重ねてきたが、2017年に医療関連機器の新生産棟を稼働させ、透析用剤溶解装置の増産と新製品開発を加速化している。
 「世界に選ばれる製品を生み出し、グローバルな競争力のあるブランド構築を目指す」(高橋社長)として、環境規制が強化されつつあるアジアを中心に、各国の法規制に対応する製品を開発し、海外事業の拡大も掲げる。提携している米国ハック社の中国現地法人を通じて10年以上前から河川の水質モニタリング用水質計を販売し、累計販売台数は1万台突破。そのほか、半導体設備投資の活発な台湾などでの需要取り込みや、インドでの大気汚染物質監視装置の拡販などにより、海外売上のベースを拡大中。
(左)安全でおいしい水道水に必要な7つの検査項目を自動計測する装置で水道管路のいたるところに設置されている
(右)大学・試験研究機関での化学分析や、製造メーカーでの品質管理など主に実験室で使用される卓上型水質計

サステナビリティへの 取り組みを深化

 2023年にはEcoVadis(エコバディス)社のCSR調査において「ブロンズ」評価を獲得。「環境」、「労働と人権」、「倫理」、「持続可能な資材調達」の4分野におけるCSRへの取り組みが高く評価された。環境面では、脱炭素化の取り組みとして、再エネ電力への切り替えやJ-クレジット制度を活用し、グループ全社の使用電力から発生するCO2排出量の実質ゼロ化を達成。また働きやすい職場環境づくりにも積極的に取り組んでおり、女性活躍推進優良企業「えるぼし(3つ星)」、健康優良企業「銀の認定」を取得。2022年度の月間平均残業8.5時間、有給休暇取得率81.2%と良好なワークライフバランスを実現している。東亜DKKは、働く環境の整備とともに国際的に活躍するための人材育成を通じて、地球環境の保全と人にやさしい社会の実現に向けて貢献し続ける。
(左)埼玉県狭山市に建設中の新生産棟のパース(2024年竣工予定)
(右)EcoVadis(エコバディス)社のCSR評価で「ブロンズ」を獲得

東亜DKK|工場見学編

「わが社を語る」

開発投資倍増と生産体制拡充で売上高200億円へ

開発投資倍増と生産体制拡充で売上高200億円へ

代表取締役社長 高橋 俊夫氏

 2022年度からスタートした中期経営計画に沿って経営基盤をより強固にするとともに、売上高200億円に向
けて大型投資を実行しています。開発投資額を倍増し、脱炭素技術(アンモニア・水素を燃料とした火力発電、バイオマス発電など)や農業や漁業の工業化などの新分野で求められる製品をいち早く提供していきます。さらに新製品の開発から量産化へのスピードアップを実現するマザー機能を持つ新生産棟を埼玉県狭山市に建設中です。またDXを推進し、従業員が付加価値の高い業務に集中できる環境を整備しています。これからも事業と従業員一人ひとりの成長の両立に取り組んでいきます。

東亜DKK|仕事紹介編

■会社データ

所在地: 東京都新宿区高田馬場1-29-10
創立: 1944(昭和19)年9月19日
代表者: 高橋 俊夫 
資本金: 18億4,248万1千円(東証一部上場/証券コード:6848)
売上高: 連結:159億88百万円(2021年3月期)
従業員数: 連結:571名 単体:381名(2021年3月31日現在)
事業内容:
・計測機器(環境・プロセス分析機器、科学分析機器)の製造、販売
・医療関連機器の製造、販売
・計測機器の部品・消耗品の販売
・計測機器のメンテナンス・修理
・不動産賃貸事業
https://www.toadkk.co.jp

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