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電子機器の製造をトータルで請負う技術集団【株式会社フェア】

キラリ、企業ハッケン!

2023.05.25

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2022年6月、株式会社フェアの新本社・工場棟が竣工、稼働した。従来の本社ビルの隣接地にお目見えした鉄筋4階建ての建屋は、青い縦縞のグラデーションが施され、延べ床面積1,848㎡の明るく開放的な室内では、開発、製造、営業を軸とする社員約50人が、のびのびと業務に携わる。電子機器の設計開発から製造までを一括して受託するEMS(Electronics Manufacturing Service)で発展を遂げたフェア。新本社の建設は、同社の新たな成長を予感させている。

―ハードからソフトまで製品開発の全工程を一貫して受託

●新本社・工場棟の建設で、社員がのびのび働ける職場環境を実現
●開発、製造、営業部門に総勢50 名程度のエキスパートを配置

量産や短納期にも対応

「製品に関する工程を丸投げしたい」、「自社では製品の企画、販売に集中し、設計製造は委託したい」、「既存の製品が製造できなくなったので、新しい製品を開発したい」。多くのメーカーが抱えるこうした課題を、多様な技術でしっかり解決するのがフェアの真骨頂。製品の企画から、回路・ソフトウェア・機構・パターンなどの設計、パーツ調達、部品実装、製造・組立、検査までの各工程の一部、または全工程を一貫して請け負うことが可能だ。「設計から量産までできることが当社の強み。短納期であっても引き受ける。それを可能にする体制と布陣を備えている」と語るのは、関寛徳社長。設計、製造、営業の3部門で約50名の専門スタッフを配置し、最新の製造技術をもとにソフトからハードまで、内製で完結していることが大きい。まずは営業部門が顧客の要望をヒアリング、次に回路設計、機構設計、ソフト設計、ハード設計などを担う開発部門のエキスパートが、ソフトからハードに至る商品設計を具体化していくのと同時に、営業部門が部品パーツの選定、調達を進める。汎用部品の多くは在庫しているが、国内外の幅広い調達ルートから最適な部品を調査、選定することが可能だ。製造・組立、検査、梱包工程を担う製造部は、クリームはんだ印刷機、自動マウンター、リフロー炉などの社内設備で部品実装したのち、画像検査、電気検査を行いハーネス加工、板金組立、基板取り付けなどを行って最終製品に仕上げる。関社長いわく、「開発は頭、営業は顔、製造は体。それぞれの部門で一人ひとりがその道のプロとして動き、会社という一つの体になっている」。2022年1月には、医療器機器製造の国際標準規格「ISO13485」の認証を取得するなど、医療機器分野の事業を強化しているほか、今後は産業分野のIoT化の動きに対応し、「これまでのハード寄りのソフト開発だけでなく、通信ネットワーク技術を含めたソフト領域を取り込んでいく」(関社長)方針だ。
(左)2022年6月に完成した本社新社屋
(右)品質を守り抜くために、職人集団がきめ細かい仕事を行う製造部

多様な知識とスキルを学べる

そのためにも期待されるのが、若い人の力。数年前から東京工科大学の学生を対象にした就業体験プログラムを毎年実施し、数人が入社しているが、鈴木正人営業部長は「新本社の完成で新卒だけでなく、中途採用が格段にしやすくなった」とか。新本社による職場環境の刷新を機に、東京工科大学に限らず幅広く理工系学生の採用を積極化させる。フェアで働くことの魅力について、「自分で描いたものが世の中に出るという実感。大手企業のような一部の歯車ではなく、幅広いモノづくりのフィールドすべてに関われる。その分、多様な知識やスキルを学べる素地もある。自由な発想でゼロからできるという意味でも、モノづくりが好きな人には楽しい会社」(鈴木部長)と説明する。残業もほとんどなく、現行社員による紹介入社も多いことから、社員満足度は高いと言えるだろう。入社後は、すべての社員に製造部門を経験してもらう。その後は当人の希望やスキルに応じた配置を実施するが、「モノづくりの全体を理解するためにも、製造技術の体験は不可欠」(関社長)と言う。最近は、始業時にはんだ付けのトレーニングを実施することも検討しており、電気技術のプロ集団として、電気機器の基本技術を疎かにしない姿勢が際立つ。将来的な自社製品開発の構想も抱きつつ、新たなステージへの挑戦が続く見込みだ。
(左)お客様のベストコストパフォーマンスの為に日々提案を行う営業部
(右)技術とマンパワーでお客様のニーズに応える開発部

≪わが社を語る≫

若い人が先進的な技術を磨ける会社

若い人が先進的な技術を磨ける会社

代表取締役社長 関 寛徳氏

「人と人をつなぎ、新しい製品を作り出す」というのが弊社です。これまでも制御装置や計測機器などの電子機器分野で顧客の要望を叶える新しい製品を生み出してきましたが、医療機器の品質を満たすことを示す国際規格「ISO13485」を新たに取得し、医療分野での領域を拡大しました。すでに超音波治療器や低周波治療器など、医療関係機器の受託も増えています。常に最先端の技術に触れることができ、製品製造の工程を一貫して受託する当社では、ソフトとハードの技術を全体的に俯瞰して見ることも可能です。様々な分野での製品開発に携わることができ、若い人たちが先進的な技術を磨ける環境です。新たな本社の竣工を機に、今後はIoT時代をにらんだソフト開発領域にも挑戦していきます。

会社データ

所在地: 東京都東村山市秋津町2丁目25番地3
設立: 1977(昭和52)年4月
代表者: 関 寛徳
資本金: 2,950万円
従業員数: 50名
事業内容: 電子機器・制御装置の設計から製造受託、電子部品調達・販売
https://kk-fair.co.jp

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