有水さん
組織変更はありましたがずっとAI研究に関する技術グループに在籍しています。目指しているのは循環型デジタルエンジニアリング社会の推進。精度の良いAIを作って終わりではなく、実際に適用・運用した後に使っている方からのフィードバックを生かして、さらに良いAIを作る循環を実現します。僕たち自身が産業に近づいて、そこから得られた知見を活かして、統合型のソリューションを提供する考え方です。
吉村さん
私は入社直後1年だけ通信の誤り訂正符号技術を担当していましたが、その後社内でもAIに注目が集まり、私も機械学習技術の研究開発に入りました。当時から社内には画像認識や音声認識、信号処理などAIに関係する技術者はたくさんいました。そういう人材が集まりAIニーズに応える組織が10年ほど前にスタートしています。三菱電機は製作所でモノやサービスを作っていて、そこからのニーズを把握しながらAIを開発するので、ちゃんと役に立つのを自分の目で確かめながら仕事ができます。
吉村さんは太陽光発電量予測AIを開発する社外のコンテストで2023年10月に優勝しています。
吉村さん
社内SNSにAIに関する情報交換をするコミュニティがあって、研究所だけでなく製作所や支社・関連会社の人まで参加しています。ここでコンペの情報提供があって、AI研究開発センターで社外のデータ分析コンペへの参加を推奨されているのもあって、5人のメンバーで参加することにしました。過去の発電実績や未来の天気予報といった時系列を用いて未来の発電量を予測しました。私は太陽光発電の専門家ではありませんが、その気になれば社内で詳しい人から情報収集できるのも三菱電機の強みですね。
有水さん
僕もチームを組んで外部のコンペに挑戦しています。不動産関連のテーマで、コンペ主催者が用意する架空のデータのほかに、必要と思われる専門的なデータを集めます。
太陽光発電量予測AIコンペティション
(左)吉村さんのプレゼン中の様子
(右)授賞式
いろいろな分野の人に話を聞きにいくのは楽しいですか?
有水さん
工場見学など機会があれば積極的に参加して話を聞いてきます。技術に関しておしゃべりするのが大好きなので、知的好奇心ある人は大歓迎。人と意見を交換しながらアイデアを出して形にするのは重要だと思いますし、それがこの仕事の醍醐味。日常でも隣の研究者と話し始めて気づくと1、2時間経っていたりします。
吉村さん
知的好奇心が旺盛な方は、AI研究に限らず伸びると思います。この仕事をしていなかったら聞けなかったであろう話を聞けたりして面白いですよ。
有水さん
自分の研究テーマを筋道立てて説明する能力を養うことが大切だと思います。そもそもどういう目的があって、今の技術でここまでできていて、ギャップがこうだからこの研究をやっています、という説明ですね。こういった論理的に物事を説明する力は、研究に限らず、社会に出ても必ず役に立つと思います。
吉村さん
マネージャーとして、個々の研究員のやりたいことを会社の研究開発の戦略とすり合わせ、のびのび楽しくやっていけるグループを作りたいですね。私自身もまだやりたい研究がたくさんあって、最近はAIの頑健性、説明可能性、公平性など、AIを安心して使ってもらうための技術に興味を持っています。
情報技術総合研究所は、情報技術のプロフェッショナル集団として全社の研究開発を支えている。本格的な普及期に入ったAIが人々のゆとりある生活、より活力ある社会の実現に貢献できるよう、今後も研究開発を一層加速していく。単に予測精度を上げるだけでなく、安全で信頼できるAI技術を開発し、人間の専門知識と合わせて人々の生活を豊かにする−そんな未来に向けて情報技術総合研究所の挑戦は続く。
情報技術総合研究所:〒247-8501 神奈川県鎌倉市大船五丁目1番1号
資本金:175,820百万円
従業員数:連結149,134人
売上高:連結5,257,914百万円
事業概要:重電システム事業、産業メカトロニクス事業、情報通信システム事業、電子デバイス事業、家庭電器事業